お互いを大切にしていることが会うたびに伝わる、私の友人とその夫。この夫婦とは以前毎週のように顔を合わせる機会があり、いつも穏やかで、2人がもめているところなど見たことがありませんでした。そんなおしどり夫婦でありながらも、ふとしたことで意見がぶつかり、大喧嘩をした過去もあるのだそう。友人夫婦が大喧嘩をしたとき、妻である私の友人が最も深く傷ついた言葉があったそうで……。

妻を傷つけた夫の言葉





結婚して10年を迎えた友人とその夫。いつも笑顔が絶えないこの友人夫婦は、私の憧れのおしどり夫婦です。毎日お互いに感謝の言葉を伝え合い、困ったことがあったときには2人で協力して解決するといった話を聞くこともありました。

ある日私は、普段から夫婦でぶつかり合うことはないのだろうかと疑問に思い、友人に尋ねてみました。すると、そんな友人でも夫とぶつかった過去はあり、夫から言われて、深く傷ついた言葉があるのだと教えてくれました。

それは、「出ていけ!」という言葉。口喧嘩の延長で、怒りをあらわにし感情的になった友人の夫は、友人に対して「出ていけ!」と言い放ったそう。ドラマや映画でも聞いたことがあるようなセリフですが、勢いでついこんな発言をしてしまう男性は、珍しくないのではないでしょうか。

ただ正直、この夫婦がそんなふうにぶつかることがあったのかと少し驚きました。それほど、いつも穏やかで、お互いをねぎらったり助け合ったりと、言動に愛がある夫婦だったからです。

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その言葉に傷ついた理由

続けて友人は、その言葉に深く傷ついた理由を教えてくれました。答えはとてもシンプルで、「帰る場所なんて、ここしかないから」というもの。「今の生活はこの家にあって、実家を離れ新しい家庭を築いている。だから私の帰る家はここしかないのに、出て行けって言われてもどこに行ったらいいの!?」ととても悲しく、心細い気持ちになったそう。

その通りだと思いました。「出ていけ」ということはつまり、自分は必要とされておらず、居場所がないということ。勢いで発した本心でない言葉だったとしても、受け取る側がその言葉を真に受けてしまったら、強いダメージを与えてしまうのも当然です。

また、友人夫婦の間には、3人の子どもがいます。愛すべき子どもたちがいるのに、そんな無責任な発言ができてしまうことに、余計に悲しみや怒り、虚しさを感じたのでしょう。