とてもやさしい性格で、妻である私を誰よりも大切にし、子煩悩だった元夫。家族命!で一見パーフェクトな夫ですが、実は激高しやすい面がありました。離婚してみて彼のひどさがよくわかったんです。さらに私も、無理して彼のご機嫌を取り続けていくうちに、自分の意見さえわからないほどひどい状態に陥っていたことに気付きました。

どんどん行為が嫌になっていき…





20代初めに出会った元夫は、とてもやさしい人でした。私のことが好きなあまり、携帯のメール履歴を見たり、私の友人関係を制限したりしました。彼は過去に付き合っていた彼女に浮気をされた悲しい過去があり、同じように私のことを失うのが怖くてそういうことをしてしまうんだと、彼から説明を受けました。まだ20代初めだった私は、彼のことが好きだったから許そうと思ったし、そんな彼を支えたいと思いました。

彼は怒ることが多く、怒ったときは夜通し説教。束縛も強いけれど、それ以上に毎日たくさん愛情表現をしてくれたし、私を常に1番に考えてくれるし、お姫様扱いをしてくれるし、何をしても最終的には許してくれる、そんな人だと思っていました。情熱的でパワフルなところに惹かれていたので、「つらいな……」という場面は多かったけれど、彼の良さだと思っていたんです。

「今思えば、立派な調教だな」と40歳になった私は思います。そのころから、私は自分の気持ちや意見ではなく、彼の機嫌を損ねないような発言を自然と選んでいました。「自分の気持ち」ではなく、「彼にとっての正解の言葉」が大切でした。それは、離婚した今でもなかなか直りません。

(広告の後にも続きます)

変化して成長を見せる彼との将来も考えるように

一緒に年を重ねるごとに、彼は私に対しての厳しい態度を自ら反省し始め、私への束縛も干渉もなくなっていきました。だから余計、私のために自らを変えることができる彼との将来を考えるようになったし、彼は経営者だったから将来の不安もありませんでした。

でも、付き合い始めてしばらくたってから、体の相性が合わないなぁと思っていたんです。私はそういう行為がどんどん嫌になっていきました。しかし彼は、男女の行為こそが愛情を確認し合う行為だと考える人だったので、それを拒否するとまた尋問が始まります。電気を消した暗い部屋で、行為が嫌だとは口が裂けても言えず(尋問が長引くので)、でも私の心と体は拒否していて、“この場をどう切り抜けるか”だけを考えていました。

今ならあり得ない言動だと思えるのですが、今から約20年~15年前の私は、楽しくてパワフルで私のことを毎日大切にしてくれる彼のことが大好きでした。

彼はたしかに私への束縛をなくし、以前のような厳しさは消えましたが、この男女の行為に対するこだわりだけは変わりませんでした。そんな中、私は28歳のとき彼と結婚しました。