コロナショック後の経済再開とインバウンド


外国人観光客
【画像出典元】「stock.adobe.com/beeboys」

日本の株価上昇の理由は、PBRを高めるという東証の要請だけでなく、経済再開も要因となっています。日本はコロナ対策による入国規制期間が長期に及んだため、パンデミック後の経済再開が遅れをとる形となりました。しかし、2022年10月に外国人観光客の受け入れが再開され、インバウンド需要も回復しています。

観光庁の発表では、2023年10月の外国人延べ宿泊者数は1180万人となり、パンデミック前の2019年の水準を超えました。訪日外国人の増加により、旅行、レジャー、ホスピタリティ業界など、国内事業が中心の企業も恩恵を受けるようになり、株価上昇につながったのです。

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新NISAで国内株を買うべき?

2024年から始まる新NISA(新しいNISA)で投資を始めようと考えている人もいるでしょう。新NISAでは非課税保有期間が無期限になり、年間投資枠も拡大(つみたて投資枠:年間120万円、成長投資枠:年間240万円)され、年間最大360万円まで投資が可能となります。

出典:金融庁「新しいNISA」

現在の「つみたてNISA」では米国株などの外国株の人気が高く、新NISAでもその傾向は続くと考えられます。たとえば、SBI証券の週間買付金額ランキング(11月20日~24日)は、以下の通りです。

1.eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
2.SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
3.eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
4.SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンド
5.インベスコ世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)

出典:SBI証券

ただ、三菱アセット・ブレインズの調査では、10月末時点における国内株式の12カ月リターンは15.5%で、外国株式の8.6%を大きく上回っています。分散投資の観点では、外国株式だけでなく、国内株式を含めたポートフォリオを考えるべきです。

日経平均株価を対象にした「日経225ノーロードオープン」などのインデックスファンドもつみたてNISA(2024年以降のつみたて投資枠)の対象ファンドとなっているので、ポートフォリオの一環として検討してみるといいでしょう。

※資産運用や投資に関する見解は、執筆者の個人的見解です。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。