下半身を鍛えて効率よく筋肉量アップ
――筋肉を増やすための運動も教えてください。
栗原先生 お腹の脂肪を減らすために有効な運動はスロースクワットです。体の中でも下半身には大きな筋肉が集まっていますから、下半身をしっかり鍛えられるスクワットは効率よく筋肉を増やせる運動なんです。
スロースクワットの方法は次の通りです。
【1】両足は肩幅よりやや広く開いて立つ。
【2】【1】の姿勢から5秒かけて膝を曲げ、おしりと床が平行になるくらいまで腰を落とす。このとき、膝がつま先より前に出ないように注意。
【3】【2】の姿勢から5秒かけて、膝が40度くらいのところまで立ち上がる。
【4】【3】の状態から【2】と【3】を5回繰り返して1セット。これを1日に2セットおこなう。
「スロースクワットは難しい……」という方は、私が考案した「椅子スクワット」をおこなってみてください。
椅子スクワットの方法は以下の通りです。
【1】椅子に浅く腰をかけられるくらいの位置に、足を肩幅くらいに開いて立つ。腕は胸の前で組む。
【2】【1】の姿勢から、おしりを突き出すようにして、できるだけゆっくりと膝を曲げる。太ももが椅子の座面につかないギリギリのところで止めて、10秒キープ。このとき、膝がつま先より前に出ないように注意。
【3】10秒たったら椅子に座って足の緊張を解いて10秒休む。【1】~【3】を5回繰り返して1セット。これを朝昼晩、1セットずつおこなう。
――たんぱく質をしっかり摂取して運動をすると、どれくらいの期間でお腹の脂肪が落ちるのでしょうか?
栗原先生 たんぱく質を1割増やして糖質を1割減らし、ちょっとした運動さえすれば2カ月でお腹周りがスッキリします。体重は1カ月で500g~1kgも落とせれば十分ですから、ゆっくりと着実に取り組んで、健康的にスリムな体を手に入れましょう。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
<著書>
『2カ月でぽっこりお腹が改善! 内臓脂肪の落とし方』栗原毅/著 主婦の友社 1350円+税
取材・文/熊谷あづさ
ライター。1971年宮城県生まれ。埼玉大学教育学部卒業後、会社員を経てライターに転身。週刊誌や月刊誌、健康誌を中心に医療・健康、食、本、人物インタビューなどの取材・執筆を手がける。著書に『ニャン生訓』(集英社インターナショナル)。
著者/栗原 毅先生
栗原クリニック東京・日本橋院長。日本肝臓学会専門医。医学博士。1951年、新潟県生まれ。北里大学医学部卒業後、東京女子医科大学消化器病センター内科入局。1978年より東京女子医科大学消化器内科、特に肝臓病学を専攻し、2005年に教授に就任。2004年、中国中医研究員客員教授、2007年、慶応義塾大学教授に就任。2008年に現クリニックを開院。テレビや新聞、雑誌などでわかりやすい解説が人気を博す。『名医が教える「本当に正しい糖尿病の治し方」』(エクスナレッジ)、『ズボラでもラクラク! 1週間で脂肪肝はスッキリよくなる』(三笠書房)など著書多数。