年金への不安や長生きへの備えとして老後資産への関心が高まっており、その中でiDeCo(個人型確定拠出年金)を始める人も増えています。とても魅力的な制度ですが、1つ注意点があります。それは「原則60歳まで引き出すことができない」ということです。よって無理なく長期的に継続していくことが重要ですが、今回は生活環境が大きく変わることに伴いiDeCoをやめたいという方からの相談です。こういう場合、どうなるのでしょうか?

40代会社員女性Fさんからの相談内容

40代の会社員で、18歳の子どもが1人います。夫は単身赴任中ですが、子どもが4月から一人暮らしを始めるため、仕事を辞めて夫の単身赴任先で一緒に生活する予定です。現在、iDeCoに加入中です。退職時、iDeCoもやめたいのですが可能でしょうか?また、再就職した際に再開は可能ですか?

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iDeCoをやめるのは難しい…まずは減額の検討を


減額
【画像出典元】「Pla2na/Shutterstock.com」

生活環境が大きく変わるため「iDeCoをやめたい」と考えておられるようです。iDeCoは老後資金を準備するという大きな目的があるため、一度始めると原則60歳まで続けることになります。ただし、以下の条件を全て満たす場合は「脱退一時金」を受け取ることができます。つまり「やめる」ことが可能です。

    60歳未満であること
    企業型確定拠出年金加入者でないこと
    個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入できない者であること(国民年金保険料免除者や外国籍の海外居住者など)
    日本国籍を有する海外居住者(20歳以上60歳未満)でないこと
    確定拠出年金の障害給付金の受給権者ではないこと
    通算拠出期間が5年以下、又は個人別管理資産の額が25万円以下であること
    最後に企業型確定拠出年金又は個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者の資格を喪失した日から2年以内であること

引用:iDeCoポータルサイトより一部抜粋

上記~の全てを満たさなければならず、特ににありますように、加入してからの期間が短く、残高が少ないことも要件になっているため、iDeCoを始めて一定期間が経過した人は基本的にやめることはできません。

おそらく仕事を辞めてご主人のもとで生活をするため、これまでどおり掛金を拠出するのが難しいというのが「やめたい」という理由だと思います。iDeCoは年に1回掛金額を変更することができ、最低金額は5000円です。老後資産のためにもご主人と相談し、また協力してもらい、最低限掛金を拠出することができないか?まずは掛金の減額を検討してください。