拠出の一時停止は可能、「運用指図者」とは?


「COST」と書かれた積み木ブロックと家のおもちゃと電卓
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どうしても月5000円の拠出が難しい場合、今後の拠出を停止することは可能です。残念ながらiDeCoをやめてこれまでの掛金を引き出すことはできませんが、毎月の拠出を停止することはできます。

この場合、「加入者資格喪失届」を金融機関(運営管理機関)に提出することになります。その際の喪失理由は「運用指図者となるため」を選んでください。これで今後の掛金の拠出は必要なくなり、今ある残高を運用するのみということになります。拠出停止後、再就職された際などは、拠出を再開することもできます。

よって、掛金の拠出を停止し、それまでの拠出分を運用する「運用指図者」という選択が今回のご相談者には合っているかもしれません。ただし、運用指図者の場合、手数料を意識する必要があります。金融機関によって異なりますが月額66円~数百円の手数料が生じます。よって、その手数料に負けないだけの運用を行いたいところです。安全性重視でリターンが低い運用をしていますと、手数料分の残高が減ることになるので、その点注意してください。
参照:「加入者資格喪失届」

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まとめ

今回のご相談に対するポイントをまとめると以下のようになります。

・脱退は多くの要件を満たす必要があり、基本的にはできない
・掛金拠出を続けることが難しい場合、掛金の減額や停止を
・停止した場合、手数料を上回る運用を行いたい

iDeCoやNISA制度が現在注目されています。特に税制メリットがあるということから、投資の知識や経験が少ない方が始めるケースも多いようです。NISAはいつでも売却・換金できますが、今回紹介しましたように、iDeCoは途中で引き出すことが原則できません。今後のライフプランをじっくり検討し、無理のない範囲で上手に付き合ってください。