金輪際、面倒なんか見るか
数日後。「離婚の話だけど」と切り出した私は、「どう考えても、私が義両親の面倒を見るのはおかしい。私と娘はこの家を出て、あなた方とは縁を切らせていただきます」と宣言してやりました。
すると夫は、「ちょっと待てよ! 冷たいことを言うな、誰がオヤジの面倒を見るんだ? オフクロだって年老いて、介護の手が必要なんだよ」と本音を暴露したのです。
「非常識にもほどがある。金輪際面倒なんて見ませんから!」
私はすぐさま娘に事情を話し、荷造りをして実家に出戻りました。娘も「あの人たちとは一緒に暮らせない。妻のことを顧みず娘にも興味がない父親、孫を小間使い扱いの祖父母なんて不要」と前から諦観していたようで、私についてくることに大賛成でした。
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両親の逆鱗に触れた!
私と娘を大歓迎してくれた実家で、平穏な数週間が過ぎたころ……。玄関のチャイムが鳴り、扉を開けると浮気夫が涙目になって立っていました。
「頼むから帰ってきてくれ……。お前がいなくなってから、家の中はぐちゃぐちゃで。老々介護でオフクロも寝込んじゃうし、大変なんだよ」と泣きついてくる始末。
「本気の愛人に来てもらえば? お若いらしいから私なんかより力になるでしょ」と言うと、「彼女は、親の介護なんて聞いていない、同居なんてまっぴらだって言うんだよ」と打ちひしがれています。
「そもそも自分の親なんだから自分で面倒を見ろ!」と一喝した私に取りすがる夫。するとそこへ私の両親が登場しました。