コロナ禍を経て、在宅勤務やリモート勤務など、働き方のスタイルは大きく変わってきています。今回は在宅勤務の導入によってで影響がありそうな通勤手当と年金の関係についてフォーカスしていきます。通勤手当が増減することは、実は将来もらえる年金に影響を及ぼす可能性があるのです。

【1】厚生年金は給与額などを元にした標準報酬月額で決まる


年金手帳を見ている人
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近年、テレワークやリモート勤務・在宅勤務という働き方が増えてきました。こうした勤務スタイルの変化に合わせて注目されているのが通勤手当の存在です。

一般的には、公共の交通機関を利用して通勤する場合は、定期代等の交通費が会社から支給されることが多いと思います。しかし、今回のコロナ禍で、在宅勤務を導入する企業が一気に増えました。外出を避けるという状況は脱しましたが、そのまま継続して在宅勤務を取り入れている企業は多く、そこで話題になっているのが交通費を定期代ではなく実費での支給に切り替えるということです。

週に1日~2日の出勤であれば、定期代よりも実費支給にした方が企業としてはコスト削減になるので予想された流れではあります。しかし、通勤手当が減ると将来の年金に影響が出る可能性が出てくるのはご存知でしょうか?

これは厚生年金法という厚生年金にまつわる法律の規定によるものです。厚生年金は報酬比例の仕組みがあり、報酬が多ければ年金が多くなり、少なければ連動して支給額が下がる仕組みとなっています。

厚生年金保険法でいう報酬とは、被保険者が事業主から労務の対償として支給されるものをいい、賃金、給料、手当などその名称にかかわらず全てが対象になります。したがって、事業所の給与規定に定めのある通勤手当は労務の対象となり、標準報酬月額の対象となる報酬に含まれることになります。このことから、通勤手当が減ると将来の年金額に影響が出ると言われています。

ちなみに厚生年金の報酬額は32等級と細かく分かれて計算されており、通勤手当が減るから必ず年金が減るということではありません。

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【2】通勤手当にも税金がかかる!課税・非課税の境目はどこ?


税金
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通勤手当の金額が年金に影響を及ぼすという驚きの事実をお知らせしましたが、通勤手当の額は税金にも影響すると聞いたことがある人もいると思います。実は通勤手当は一定の金額を超えると課税の対象になります。

平成28年度の税制改正により、給与所得者に支給する通勤手当の非課税限度額が引き上げられました。

 


国税庁:https://www.nta.go.jp/users/gensen/tsukin/index2.htm

この表を見てみると、公共の交通機関を使って通勤している人であれば、ほぼ課税をされることはなさそうです。