がん保険の加入率はどのくらい?性別・年代別に解説します

厚生労働省の「令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、日本人の死因は「悪性新生物(がん)」が上位を占めているという結果になっています。

万が一がんになった場合の備えとして、がん保険を検討中の方も多いのではないでしょうか。

生命保険文化センターの調査を参照すると、がん保険の加入率は約4割です。

本記事では、国の統計データを参照しながら、がん保険の加入率やがん保険の必要性について詳しく解説します。

この記事で分かること

年代別・性別の加入率

世帯年収別の加入率

ライフステージ別の加入率

がん保険の必要性

がん保険の加入率は約4割

生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、がん保険・がん特約の加入率は年々増加傾向にあります。

参照:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査(77ページ)|生命保険文化センター

加入率は増加傾向にある一方、実際の加入率は平均39.1%となっており、全体の約4割程度しかがん保険に加入していないことがわかります。

年代別・性別の加入率

性別のがん保険加入率をみると、全体平均で男性は38.0%、女性は40.0%となっており、性別による加入率の差はほとんどないことがわかります。

参照:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査(77ページ)|生命保険文化センター

一方、年齢別に加入率をみると、年齢が若い20歳代は男女ともに加入率が低く、30歳代からがん保険に加入する方が増加し、全年代の中で40歳代のがん保険加入率が最も高くなっています。

世帯年収別の加入率

世帯年収別にがん保険の加入率をみると、年収300万円世帯は24.9%に留まっており、約4世帯に1世帯の割合でしかがん保険に加入していません。

参照:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター

一方、年収が500万円を超える世帯はがん保険の加入率が5割を超えており、世帯年収が上がることで、がん保険への加入を検討する世帯が多いことがわかります。

ライフステージ別の加入率

ライフステージ別にがん保険の加入率をみると、未婚世帯は約2割、既婚世帯は約4割以上の世帯ががん保険に加入していることがわかります。

参照:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター

また、既婚世帯においては子どもがいる世帯のほうが加入率は高い傾向にあり、多額の教育資金が必要な時期は、特に保障を手厚く備えている世帯が多いものと考えられます。

子どもが自立する年齢になると必要保障額が少なくなるため、生命保険の見直しに伴い、がん保険の加入率も減少する傾向にあります。

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がん保険の必要性

がん保険の加入率は全体の4割程度に留まっており、なかには「実はがん保険って必要ない?」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。

ここでは、がん保険の必要性が高い方と不要な方の特徴をみていきます。

がん保険の必要性が高い人

がん保険の必要性が高い人

自営業者の人や個人事業主の人

万が一、がんに罹患した際の治療費を貯蓄で賄えない人

「令和2年(2020)患者調査の概況」の推計患者数によれば、令和2年度のがん患者の入院患者数は12万6千人、通院患者は24万7千人で、通院や入院のために仕事を休まざるを得ない場面も想定されます。

会社員の場合は健康保険から傷病手当金が支払われますが、自営業者や個人事業主の加入する国民健康保険には傷病手当金がありません。

特に自営業者の方は仕事を休むことで収入に直結するため、がん治療中の収入減少に備える意味でもがん保険の必要性は高いといえます。

一方、通常の医療費と同様でがんに罹患した場合も公的医療保険制度が適用されるため、医療費の1〜3割を負担するだけで高度な医療が受けられます。

ただし、がん治療で「先進医療に係る費用」や「患者申出療養に係る費用」は公的医療保険制度が適用されないため、医療費の全額が自己負担となってしまいます。

そのため、がんの治療費に備えられるだけの十分な貯蓄がない方にとっても、がん保険の必要性は高いと考えられます。

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がん保険の必要性が低い人

一方、がん保険の必要性が低い方の特徴は、次の通りです。

がん保険の必要性が低い人

万が一、がんに罹患した際の治療費を貯蓄で賄える人

会社の福利厚生や健康保険でカバーできる人

上述の通り、特別な治療方法を除き、がん治療における医療費は公的医療保険制度が適用されます。

会社員の方は勤務先の福利厚生などで医療費を補填できる場合もあるため、これらでがんの治療分をカバーできるのであれば、がん保険に加入する必要性は低くなります。

とはいえ、がんの治療方法は多様化が進んでおり、公的医療保険や福利厚生を活用しても治療費が家計を圧迫する要因になる可能性も十分に考えられます。

また、実際にどれくらいの貯蓄があればがんの治療費に備えられるかは個人の貯蓄状況やリスク許容度によっても異なります。

がん保険に加入すべきか否かの判断が難しい場合は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談をするのがおすすめです。

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