生命保険の加入率はどのくらい?平均支払保険料や保障額も解説

生命保険文化センターが実施した「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、日本国民の約8割の方々が生命保険に加入していることがわかっています。※本記事の生命保険加入率とは、民間の生命保険会社や郵便局、JA(農協)、県民共済・生協等で取り扱っている生命保険や生命共済(個人年金保険やグループ保険、財形は除く)のことを指す。

生命保険は、予測が難しい病気やケガなどによる死亡のリスクに備えるための大切な存在です。

一方で、日本では公的医療保険制度が充実しており、生命保険に加入する必要はないと考える方も一定数います。

本記事では、政府の統計データを用いながら日本における生命保険の加入率、年間払込保険料の平均値を解説します。

この記事でわかること

約8割の人が生命保険に加入している

生命保険に加入したきっかけ

年間払込保険料と平均死亡保障額

生命保険の加入率に関するよくある質問

約8割の人が生命保険に加入している

生命保険文化センターが実施した「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、日本国民の約8割の方々が生命保険に加入しているという結果になっています。

※本記事の生命保険加入率とは、民間の生命保険会社や郵便局、JA(農協)、県民共済・生協等で取り扱っている生命保険や生命共済(個人年金保険やグループ保険、財形は除く)のことを指します。

参照:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査197ページ|生命保険文化センター※民間の生命保険会社や郵便局、JA(農協)、県民共済・生協等で取り扱っている生命保険や生命共済(個人年金保険やグループ保険、財形は除く)の加入率

年代別で生命保険の加入率をみると、30歳代〜60歳代にかけては8割以上の世帯が生命保険に加入していることがわかります。

結婚や出産に伴う子どもの教育資金や住宅の購入費用など、高額な支出が多い時期ともいえるので、生命保険に加入して万一のリスクに備えている世帯が多いものと推測できます。

一方、最も生命保険の加入率が低いのは男女ともに20歳代で、男性は46.4%、女性は57.1%と約半数しか生命保険に加入していません。

年齢が若く身体も健康で、病気やケガに備える必要性を感じない方々が多いことが理由と考えられますが、日々の暮らしの中には常に病気やケガのリスクが存在します。

特に20歳代は社会人として自立したばかりで、貯蓄が十分ではない方も多いため、もしものときに備えて生命保険に加入しておくことで、高額な医療費が発生した場合でも安心して治療に専念できます。

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加入率の推移

生命保険文化センターの同調査を参照すると、2001年(平成13年)から2022年(令和4年)にかけての生命保険の加入率は、基本的に8割前後をキープしていることがわかります。

※18〜69歳を対象として再集計した結果
参照:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査(令和4年度)197ページ|生命保険文化センター

2007年(平成19年)までは女性よりも男性の加入率が高い傾向にありましたが、2010年(平成22年)以降の調査では、いずれも女性の加入率が男性を上回る結果となっています。

これまでは家計収入の大部分を担う方が男性であるケースが一般的で、働き手に万が一のことがあると生活に困窮してしまうため、男性の加入率が高かったものと考えられます。

一方、近年では働き方の多様化や女性の社会進出の機会が増え、女性特有の疾病(乳がんや子宮頸がんなど)への関心が高まったこともあり、女性の生命保険加入率も増加傾向にあると推測できます。

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世帯年収別

生命保険文化センターの同調査で世帯年収別に生命保険の加入率をみると、基本的には世帯年収が高くなるにつれて生命保険の加入率も増加傾向にあることがわかります。

参照:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター

世帯年収が300万円未満の世帯においては、生命保険の加入率が約6割程度に留まっています。

保険料が家計を圧迫する要因になり得るので、保障に回すだけの経済的余裕がない世帯数が多いと考えられます。

一方、世帯年収が上がると老後を見据えた資産形成を意識する世帯も増加傾向にあります。

生命保険料の所得控除や貯蓄型保険を活用して、資産形成に取り組む世帯が多いことから、世帯年収が上がるにつれて生命保険の加入率も増えていくものと推測できます。

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ライフステージ別

ライフステージ別の生命保険加入率をみると、未婚世帯よりも既婚世帯のほうが加入率は高い傾向にあります。

また、既婚世帯の中でも子どもの有無によって加入率は大きく変動し、基本的には子どもの成長に合わせて生命保険の加入率も右肩上がりで増加していきます。

参照:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター

一方、子どもが成長して自立する年齢になると、それ以降は子どもの生活費や教育資金を生命保険で備える必要性は低くなります。

余計な保険料を支払わないように生命保険の見直しを行う世帯が多いため、子どもが学校を卒業する時期になると、生命保険の加入率は低下しています。

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生命保険への加入意識

この項目では、生命保険への加入意識について紹介していきます。

非加入の理由

冒頭でもご紹介した通り、生命保険文化センターの調査によると、約2割の方々は生命保険に加入していないことがわかっています。

非加入理由をみると、男女ともに「経済的余裕がない(男性38.2%、女性37.0%)」の割合が最も多く、生命保険の重要性は理解しながらも、家計が厳しいために生命保険を諦めてしまう世帯が多いと考えられます。

次いで割合が多いのは「生命保険の必要性を感じない(男性24.4%、女性23.1%)」という理由です。

参照:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査250ページ|生命保険文化センター

日本では公的医療保険で医療費の1〜3割を負担するだけで病気やケガに備えられることから、生命保険は必要ないといわれることもあります。

ただし、公的医療保険で保障されるのはあくまで医療費のみで、長期間の入院時における食費や家族の見舞いの交通費、その間の収入減少まではカバーされません。

十分な貯蓄がある世帯であれば必ずしも生命保険に加入する必要はありませんが、年齢を重ねるにつれて増大する健康リスクを踏まえると、年齢が若いうちに生命保険の加入を検討しておくべきといえます。

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生命保険に加入したきっかけ

生命保険文化センターの同調査では、生命保険に加入したきっかけについても調査が行われています。

調査結果をみると「家族や友人などにすすめられて(男性21.7%、女性26.1%)」が最も割合が高く、知人に勧められたことがきっかけで生命保険に加入した世帯が多いようです。

参照:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査208ページ|生命保険文化センター

一方、それ以降のきっかけは男女別で様々ですが、男性よりも女性の方が生命保険の必要性を認識している割合が高いことが伺えます。

男性はライフステージの変化に合わせて生命保険への関心が高まる傾向にあり、就職や結婚をきっかけに生命保険を検討する方が多いようです。

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