昨今、ネットやニュース等で「パワーカップル」という言葉を見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。パワーカップルとは高収入を得ている夫婦を指す言葉である一方、一体どういった世帯がパワーカップルに該当するのかよくわからないといった声も少なくありません。本記事ではパワーカップルの定義や生活水準、家計における注意点についてまとめてみました。
パワーカップルの定義とは
パワーカップルとは、夫と妻のそれぞれが高収入を得ている夫婦を指す言葉のことです。パワーカップルの定義は明確に決まっているわけではなく、各書籍やメディアが独自の定義を設定しているケースが多く見受けられます。
たとえば、ニッセイ基礎研究所が2023年7月に公表した「パワーカップル世帯の動向」では夫婦ともに年収700万以上であることを「パワーカップル」と定義している一方、三菱総合研究所では夫の年収が600万円以上、妻の年収が400万円以上のあわせて1000万円以上の夫婦をパワーカップルと定義していました。
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世帯年収1000万円超の世帯は12.6%
世帯年収
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厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によれば、2022年時点で世帯収入が1000万円を超す世帯は全体の12.6%となっています。
※出典:厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」
このデータでは男女それぞれの年収までを把握することはできないものの、世帯年収が1000万円を超える世帯は全体の1割程度であることがわかります。また、国税庁が公表した「2022(令和4年)民間給与実態統計調査」によれば、先ほどの三菱総合研究所が定義するパワーカップルに該当する男女の割合は以下の通りでした。
年収600万円以上の男性:33.4%
年収400万円以上の女性:22.7%
このデータからみても、男女あわせて年収1000万円を超える夫婦はそれほど多くないことがわかるでしょう。
夫婦それぞれの年収が700万円以上の世帯は全体の1%未満
一方、ニッセイ基礎研究所では、パワーカップルの定義を夫婦それぞれの年収を700万円以上としていました。ニッセイ基礎研究所が公表したレポートによれば、夫婦ともに年収700万円以上のパワーカップルは2022年で37万世帯(総世帯の0.66%、共働き世帯の2.25%)となっており、総世帯の1%を下回っていることがわかります。