新しい発想を生かした花壇デザインを競うコンテスト「東京パークガーデンアワード」。第2回のコンテストは、都立神代植物公園(調布市深大寺)が舞台となり、2023年12月からコンテストガーデンが一般公開され、日々成長する庭が道ゆく人の目を楽しませました。2024年11月にファイナル審査が行われ、授賞者が決定。11月末には授賞式が執り行われました。2024年1月から11月まで移り変わる5つのコンテストガーデンの日向と日陰それぞれの様子と毎月の植物、1年の取り組みをご紹介します。
毎日見学者が訪れる第2回コンテスト会場は「神代植物公園」正門手前プロムナード[無料区域]
コンテスト会場となった神代植物公園の正門手前プロムナード[無料区域]の1年間の景色の移り変わり(右上/4月 左下/7月 右下/11月)。入口付近に設置されたガーデンの案内板(左上)が目印。
第1回の都立代々木公園での開催に続き、第2回の舞台は、武蔵野の面影が残る都立神代植物公園。広大な敷地を有する園内には、四季折々に咲き継ぐ10万本もの花木のコレクションに加え、ばら園や貴重な植物が育つ大温室などがあり、歴史ある植物公園として知られています。第2回のコンテスト会場は、公園の正門手前のプロムナード[無料区域]。書類審査を通過した5名の入賞者がそれぞれ約70㎡のスペースにガーデンを制作し、3回の審査を経て2024年11月にグランプリが決定しました。
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第2回コンテストのテーマは「武蔵野の“くさはら”」
5人が作庭した花壇は、プロムナード(公道)を挟んで向かい合う日向と日陰の2つのエリアに設けられました。日陰の花壇(写真手前側)は、常緑高木のシラカシが日を遮ります。11月の様子。
今回のコンテストのテーマは「武蔵野の“くさはら”」です。 かつて、ここ調布市を含む武蔵野エリアは見渡す限りの原野でした。ススキやハギなどが背を超えるまでに茂り、視界を遮る 山や木もなく、野から出た月が野に沈む、月見の名所としても知られていました。そんな背景に現代的な解釈を加えることで、挑戦者であるガーデナーたちは、豊かな色彩も取り入れながら新しい風景=ガーデンを制作しました。
コンテストガーデンが作られている敷地の平面図。A〜Eの各面積は約70㎡ 。どのエリアでガーデンを制作するかは、2023年11月に抽選により決定しました。
第1回に引き続き、“持続可能なロングライフ・ローメンテナンス”であることが「東京パークガーデンアワード」の外せないルールです。丈夫で長生きする宿根草を中心に選び、季節ごとの植え替えをせず、四季ごとに花の彩りがあることが求められています。今回の植栽は、1名ごとに北側(日向)と南側(日陰)の異なる環境に花壇を制作されたのも特徴でした。
2023年12月に行われた5つのガーデン制作に関わった皆さん。
【第2回 東京パークガーデンアワード in 神代植物園 最終審査までのスケジュール】
2023年9月1日 募集締め切り
9月15日 書類による本審査 5名の入賞者決定
12月4〜8日 入賞者によるガーデン制作①
2024年2月26日〜28日 入賞者によるガーデン制作②
4月 ショーアップ審査(春の見頃を迎えた観賞性を審査)
7月 サステナブル審査(梅雨を経て猛暑に向けた植栽と耐久性を審査)
11月上旬 ファイナル審査(秋の見頃の観賞性と年間の管理状況を審査)
全3回の審査を踏まえ、総合評価のうえ、グランプリ・準グランプリ・特別審査委員賞の決定
11月 審査結果の発表・授賞式
「東京パークガーデンアワード」は、5名の参加者決定から最終審査の結果発表まで1年かけて行われる、新しい試みのコンテストです。2023年12月上旬にはそれぞれの区画で1回目の作庭が完了。2024年2月下旬には、2回目の作庭日が設けられ、切り戻しなどのメンテナンスや追加の植栽など、花壇のブラッシュアップ作業が行われました。5つのエリアがそれぞれ日増しに彩りがあふれる4月は『ショーアップ審査』、梅雨空の7月中旬には『サステナブル審査』、11月上旬に秋の見ごろの鑑賞性と年間の管理状況を審査する『ファイナル審査』が行われました。酷暑を乗り越え、晩秋のガーデン風景へと移り変わったコンテスト会場をぜひご覧ください。