ひとりで収入の確保や育児を行わなければならないシングルマザーやシングルファーザーの家庭は、日本に約72万世帯あります。それらをサポートするために国や自治体が準備してくれているのが、ひとり親家庭向けの手当・助成金・控除です。いったいどのようなものがあるのでしょうか。
ひとり親家庭はどのくらいいる?
国勢調査によると、2020年の母子世帯は約64.6万世帯、父子世帯は約7.4万世帯あるようです。母子家庭の方が多いのは誰もが想像の範囲と思いますが、父子家庭の約9倍なのですから、その差に驚かされます。特に子どもが小さく、親などに頼ることができない場合は、男女問わず働く時間や仕事内容に制限があり、思うように収入を得られないこともあるでしょう。更に、男女間での賃金格差を考えると、シングルマザーの子育ては金銭面の不安も大きいと思います。ひとり親家庭の助けとなる手当や助成金等について具体的に見ていくことにしましょう。
参照:国勢調査 時系列データ
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ひとり親が受けられる手当・助成金などの支援
手当・助成金
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まずは、ひとり親家庭だけが受けられる手当・助成金についてです。
●児童扶養手当
ひとり親家庭の生活安定のために支給されます。受給対象者は「18歳に達する日以降の最初の3月31日までの子ども(障がいのある子どもの場合は20歳未満)」を養育している親などです。支給額は親の所得によって決まり、全額支給、一部支給、不支給に分かれます。
【手当(月額)】※2023(令和5)年4月~
全部支給:4万4140円
一部支給:1万410~4万4130円
・児童2人目の加算額
全部支給:1万420円
一部支給:5210~1万410円
・児童3人目以降の加算額(1人につき)
全部支給:6250円
一部支給:3130~6240円
参照:こども家庭庁「児童扶養手当について」
●児童育成手当
東京都内に住所がある場合に受けられる手当です。ひとり親など一定の状況にある子ども(18歳になった最初の3月31日までの児童)を養育している人に支給されます。一定の所得制限が設けられています。
【手当額(月額)】※児童1人につき
1万3500円
●ひとり親家庭住宅手当
ひとり親世帯で子どもを養育している人に、引越し費用の補助といった一時的な金銭援助をする住宅手当、家賃補助などがひとり親家庭住宅手当です。例えば、東京都荒川区の場合、保証会社に支払った保証料分の手当を最大5万円まで支給してくれます。また2年目以降の更新保証料も対象です。
また、神奈川県鎌倉市は、家賃が8万円以内で、居住要件や所得制限を満たすと最大9000円/月の家賃補助を支給、山形県飽海郡遊佐町は、家賃の4分の1(最大1万円/月まで)を支給してくれるようです。自治体独自の制度のため名称が異なる場合や、実施の有無もまちまちです。お住まいの自治体はどうか調べてみましょう。
●ひとり親家族等医療費助成制度
ひとり親世帯の親と子(18歳になった最初の3月31日までの児童。障がいがある場合は20歳未満まで)が医療機関の窓口で支払う医療費の自己負担分を自治体が助成してくれます。親の所得制限があり、助成金額やその内容は、自治体によって異なるため確認してみましょう。