キッチンガーデンはイギリスのガーデンスタイルの一つで、食べることを目的とした野菜や果物を栽培しながらも、美しくデザインされているのが特徴です。見た目にこだわって、おしゃれに野菜を育てて美味しくいただきましょう。
キッチンガーデンとは
キッチンガーデンは「台所用のお庭」という意味。野菜やハーブ、果物など料理に使う植物を育てるためのガーデンのことです。フランスでは「ポタジェ」とも呼ばれています。日本では家庭菜園に近いイメージですが、キッチンガーデンやポタジェの特徴は、食べることを目的として栽培しながらも、野菜や果物がとても美しく仕立てられているところにあります。色や形、大きさを考えながら、さまざまな野菜が混植され、ときにはアーチやオベリスク、カラフルな支柱などを使って立体的に仕立てられ、花の庭に勝るとも劣らない美しさと面白さがあります。
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カラフルでおしゃれ!フォトジェニックな野菜たち
Shebeko, siraphat, Jenny Sturm/Shutterstock.com
意識して見てみると、野菜にはカラフルで個性的なものがたくさんあります。赤やピンク、黄色など鮮やかな茎の色が美しいのはスイスチャード(画像左下)。真冬を除けば季節を問わず栽培できるため、ヨーロッパのキッチンガーデンでは定番の葉野菜です。ビート(画像右)という根菜を葉野菜として改良したもので、サラダや炒め物などに使われます。
また、「エアルーム品種」と呼ばれる野菜は、ビジュアルも味も驚くほど個性豊か。画像左上は、エアルーム品種のトマトですが、「赤くて丸い」だけじゃないトマトがいっぱい! 面白いのは見た目だけではありません。エアルーム品種は、その土地で何世代にも渡って良質な品種が選抜されてきた固定種。自然の気候風土と結びついた強さを持ち、気候変動への対応力にも優れ、オーガニック栽培で育てやすいのも魅力です。海外では「エアルーム品種」といえばそのままオーガニックを指し、食への関心が高まる昨今、注目を浴びている野菜です。