美しく効率のよいレイズドベッド
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海外のキッチンガーデンには、枕木やレンガなどでいくつかの花壇をつくり、その中で異なる複数の野菜を育てるスタイルをよく見かけます。栽培土壌を地面レベルから上げて高く設定する方法は、「レイズドベッド」というガーデニングの手法の一つですが、整理されて美しく見えると同時に、野菜を育てるうえで合理的な利点がいくつもあります。
まず、通路と栽培エリアがはっきり分けられているため作業がしやすいこと。そして、風通しがよく病虫害を招きにくいこと。地面からほんの15cm上がっただけでも、風の抜け方はよくなります。さらに、「輪作(りんさく)」がしやすいこと。野菜は連続して同じ場所で育てると、病虫害にかかりやすくなるものがあります。これを連作障害(れんさくしょうがい)といいますが、ナスなどは一度植えたら4〜5年は同じ場所に植えることができません。連作障害を招かないように、栽培エリアを転々と変えていくのを「輪作」といいますが、レイズドベッドは年ごとに一箇所ずつずらしていけばよいので、輪作がしやすいという利点があります。
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コンパニオンプランツを利用しよう
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人に相性があるのと同様に、野菜にも相性があるのをご存じですか? 一緒に植えるとよく育ったり、病虫害を防いでくれたりする植物を「コンパニオンプランツ」と呼びます。上の写真で野菜の周りを囲んでいる花もその一つ。クリームイエローの花は、マリーゴールド。線虫という植物に寄生して栄養分を吸い取る虫を防除する役目を果たします。赤い花はゼラニウム。これもコンパニオンプランツです。また、野菜同士でも混植すると互いの成長を助け、よく育つものがあります。代表的なのは、トマトとバジル。お皿の上でもしばしば共演しますが、育つうえでもとても相性のよいカップルです。家庭菜園を海外のキッチンガーデンのようにおしゃれにする作り方の一つは、写真のように、プランターごとに一種類の野菜を整列させて植え、周囲にコンパニオンプランツの花で彩ると、畑とは違う雰囲気になります。また、野菜一種類とコンパニオンプランツ2種だけなら、スペースが限られたベランダでもおしゃれな雰囲気が演出できます。