新人女優・幸澤沙良18歳が司法試験“一発合格”の「JK弁護士」に挑戦 「どんな話なんだろうって、ワクワク」

女性初の弁護士のひとりで、初の女性判事および家庭裁判所所長を務めた三淵嘉子(みぶち よしこ)さんをモデルに描く連続テレビ小説『虎に翼』が快進撃を飛ばしているが、続けざまに、これまでになかった法廷ドラマがスタートする。

『JKと六法全書』(テレビ朝日系、4月19日23時15分スタート※一部地域を除く)は、史上最年少で司法試験に一発合格した、現役女子高生にして弁護士(=JKB)の桜木みやびを主人公に展開する、<法曹×学園>のハイブリッドドラマだ。

一見、年齢制限のありそうな弁護士資格だが、日本の司法試験の受験ならびに弁護士資格にその制限はない。過去「弁護士JPニュース」でも、高校在学中に司法試験に合格した仲西皓輝さんに話を聞いており、“JKB”の誕生はありえない話ではないのだ。『JKと六法全書』の脚本は、映画『金融腐蝕列島 呪縛』の鈴木智氏と、現役弁護士で脚本家の柏谷周希氏のコンビが担当。<法曹×学園>の世界にリアリティーを持たせている。

主人公のみやびは、法律関係以外は、普通か、むしろポンコツの女子高生。そんな彼女が、まっすぐな瞳(まなぐ)で法廷に立ち、大人相手にド正論をたたきつけていく。みやびをハツラツと演じるのは、オーディション番組「TBSスター育成プロジェクト 私が女優になる日_」(2022)グランプリの注目女優・幸澤沙良(こうざわ さら)さん(18歳)。期待の新星が、法廷に、ドラマ界に新風を巻き起こす!

「女子高校生で弁護士」聞いたことのない役柄に“ワクワク”

『JKと六法全書』は、みやびが、弁護士の祖父(柄本明)と暮らしていた青森から、上京して祖母(黒木瞳)のもとで見習い新人弁護士として働き始めるところからスタートします。女子高生かつ“弁護士”の役だと知ったときはいかがでしたか?

幸澤沙良さん(以下、幸澤):考えもしてなかったです。弁護士に年齢制限がないというのも知らなかったですし。弁護士さんといったら、結構大人のイメージですよね。それが女子高校生で弁護士……聞いたことのない役柄で、どんな話なんだろうと、ワクワクしました。

タイトルにもある「六法全書」を実際に手にしてみた感想は?

幸澤:重そうと思っていたんですが、本当に重たいんです(苦笑)。中を見ると、小さい文字がずらっと並んでいて。これを覚えている弁護士さんって、「すごいな、恐ろしいな」と思いました。

読んでみましたか?

幸澤:難しい言葉が並んでいますが、自分でも「こういうことが書いてあるんだ」と理解できる箇所もあって、こういう風に法律ってできてるんだなと肌で感じました。でもこれを全部覚えられるかと言われたら、ちょっと無理ですよね。一発で司法試験に合格するみやびちゃんは恐ろしいです。


一発で司法試験に合格した“JKB”の桜木みやび(©テレビ朝日)

法廷での弁護は「プレゼン」みたい

最初の2話分だけ台本を読みました。すごく面白くて早く映像で見たいですし、先が気になっています。

幸澤:3話、4話と、もっと先が気になる展開になっていくんですよ。うふふ。

そうなんですね。1話から法廷のシーンが出てきますね。撮影は?

幸澤:緊張しました。傍聴席にもたくさん人がいらして。何が緊張するって、共演者は先輩ばかりなので。そうした場で、長セリフを言うわけですから。でもスタートしてみると結構楽しみながらやれました。

弁護士役として法廷に立ってみて、何か発見はありましたか?

幸澤:演じてみて、裁判を傍聴している方や裁判長に、いかに共感してもらえるかが大事だと思いました。一種のプレゼンテーションといいますか。同じことを話すにしても、どれだけ人を惹きつけることができるかで変わってくるなと。以前、学校でプレゼンの授業があったんです。弁護士と同じではないですけど、強弱をつけたり、共感してもらえるように話していったり、それが難しかったのを覚えています。

そうなんですね。ご自身は性格的に弁護士に向いていると思いますか?

幸澤:プレゼンが苦手な幸澤沙良自身は、弁護士には向いてなさそうです(笑)。今回の私は、演じるみやびちゃんのはっきりしていたり、情に訴えかけたりする性格に、すごく助けてもらっていると思います。だからこそ演じていても楽しいんだろうなと。


桜木みやびは依頼人のために猪突猛進! 弁護に熱が入ると“青森弁”に…(撮影:はぎひさこ)

役作りのために裁判傍聴「責任のある職業なんだ」

弁護士というと「堅い」イメージを持つ人が多いと思いますが、「共感してもらう」というのは、意外な発見でしたか?

幸澤:そうですね。共感してもらうのが大事だというのは知らなかったです。「こうだから、こうなんです」と、事実を淡々と述べていくイメージでした。いかに共感を得て、傍聴している人や裁判官に味方になってもらうかが大事というのは、新しい発見でした。

そのなかでも、みやびちゃんはさらにイメージが違うかもしれませんね。

幸澤:みやびちゃんは青森弁でなかなかのことを言いますからね(笑)。みやびちゃんを基準にして、「これが弁護士だ」と思ってしまうと、ちょっと違うかもしれません(笑)。でも、いずれにしても弁護士さんへのイメージは、今回でだいぶ変わりました。

弁護士を演じるにあたって、何かリサーチはしましたか?

幸澤:脚本の柏谷さんが実際の弁護士なので、現場でもいろいろお話を聞きました。それと裁判の傍聴にも行きました。ドラマのような白熱した感じはありませんでしたけど、重みがあって、責任のある場所なんだなと肌で感じられたのが、すごく大きかったです。実際に人の人生が決まっていく瞬間を間近で見て、そうした瞬間が、1日に何度も起こっているんだなと。それを知れたのはすごく良かったと思います。

法廷シーンも、実際に傍聴に行った上で演じると違ってきそうですね。

幸澤:傍聴に行ったことで、弁護士は依頼人の人生を左右する、責任のある職業なんだなということを感じました。役ではありますが、自分が人の人生を決める場所(法廷)に立っているんだと思うと、感じるものがありますし、その重み、責任を大事にしたいと改めて思います。頭で分かっているのと、肌で感じるのは違うと思うので、実際に裁判所に足を運んで良かったです。

もし自分が弁護士に相談するなら…

過去のドラマ作品などは参考にしましたか?

幸澤:結構見ました。事前に監督やプロデューサーさんから、「法廷を自由に使っていいよ」と言っていただいたんです。「自由に動きまわっていいよ」って。実際の裁判では弁護士はほとんど動かないので、そういう意味では、実際の傍聴で見たリアルではなく、過去の作品で役者さんたちが演じている見せ方を参考にするために、「こういう風に動くんだ」と身ぶり手ぶりなどをドラマ作品で研究しました。

ちなみに幸澤さんは、どんな弁護士なら相談してみたいですか?

幸澤:もともと弁護士さんへのイメージは、やっぱりちょっとお堅いイメージでした。だからもし、みやびちゃんがいてくれたら話しやすいだろうなと思います。実際にいま女子高生弁護士はいないですけど、みやびちゃんのように、明るくて優しい弁護士さんならいいなと思います。

最後に改めて、ドラマ放送に向けてひと言お願いします。

幸澤:女子高生が制服に弁護士バッジをつけて、法廷で話している。それだけでも、まず新鮮で面白いんじゃないかと思います。あとはみやびちゃんの思いっきりのよさ、ズバズバ言うところ。女子高校生が大人にモノ申している姿が気持ちいいと思いますし、普通の弁護士ならやらないようなこともみやびちゃんはするので、今までのドラマで見てきた弁護士の方とも違います。ぜひ楽しんでもらえたらうれしいです。


みやびを演じるのは楽しい! と話す幸澤さん(撮影:はぎひさこ)

■ドラマ情報
金曜ナイトドラマ『JKと六法全書』
テレビ朝日系
毎週金曜よる11時15分~0時15分
※一部地域を除く