あまり連絡を取っていなかった24歳の娘から、急に「会わせたい人がいる」と言われた友人。その相手は、女性でした。以前から「同性愛者かもしれない」と思うような言動はあったものの一時的な感情だろうと深く考えていなかったそうで、緊張しながら顔合わせの日を迎えます。そのとき、娘を持つ親として抱いた感情とは……。

突然知った、娘の恋愛事情

















これは友人が48歳のときの話です。友人には、当時27歳と24歳の2人の娘がいました。姉妹はどちらも結婚しておらず、長女は男性に依存し過ぎて振られてしまうタイプ、次女は恋人を頻繁に変える恋愛に対して軽いタイプの子だったので、結婚はあまり期待していなかったそう。地元に残った長女とは恋愛の話もよくしていましたが、高校卒業後すぐに上京した次女とは、ほとんど話す機会がなくなっていました。もちろん、恋愛事情に関してもまったく把握していませんでした。

そんな次女からある日急に連絡が来て、「会わせたい人がいる」と言われた友人。次女が改まってそんなことを言うのは珍しかったので、友人は緊張したそうです。しかし、当時はコロナ禍全盛期。東京にいる次女が地方に帰ってくることはなかなかかないませんでした。

詳細が気になって仕方がなかった友人は、電話で次女にいろいろ聞いてみることに。すると、その相手は以前からルームシェアしていた女性だったことが判明。友人は少し驚きつつも、「やっぱりか……」という感情だったそうです。

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以前から同性愛者かもしれない言動はあった

今のご時世、ジェンダーレスについての話題は昔より多く目にするようになりましたが、友人は、まさか自分の娘が同性愛者であるとは思っていなかったようです。同性愛に偏見はないつもりでしたが、昭和の時代を生きてきた友人にとってはやはり衝撃的で、ショックな感情も多少あったと言います。

しかし、カミングアウトされた今になって考えてみれば、いくつか心当たりもありました。 急に、男装アイドルグループ(女性が男性の格好をしているアイドル)にハマり出したり、「女性が好きかもしれない……」とつぶやいていたりと、次女の行動には予兆がたくさんあったようです。

少しずつ落ち着いて状況を整理できたころには「過去にいろいろあった出来事は、やっぱりそういうことだったんだ」とふに落ちたと言っていました。もしかしたら、心のどこかで気にしていたのかもしれません。思ったより冷静でいられたことはよかったけれど、おそらく何も気付いていない夫にどう理解してもらったらいいだろうというのが、次の問題でした。