十分に街歩きを楽しんだなら、間違いのない土産を手に入れて旅を締めくくりたい。本誌連載「&Kyoto」の「京都さんぽ部」部長で、現地在住のライター、コーディネーターの大和まこさんが教えてくれたのは、寿司や菓子、雑貨、縁起物といった8つのジャンルの新旧いい土産。長きにわたり愛される定番から、歴史を引き継ぐ名品、老舗が手がける新ブランドのアイテムに、この数か月のうちに発売されたばかりのものまで、古都だからこそ生まれた古きと新しきの違いを味わえる品々。帰りの新幹線から旅の余韻に浸れ、家に帰れば楽しい時間を振り返りたくなる、充実のラインナップです。


『青久』のAoQのチョコふやき12枚入り1620円
京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町 ジェイアール京都伊勢丹B1 075‒352‒1111(代表) 10時〜20時 無休


『鍵善良房』の濤々 1箱6個入り2 200円
京都市東山区祇園町北側264 075‒561‒1818 9時30分〜18時月休(祝日の場合、翌日休)

香ばしく軽やかで、品のあるふやき煎餅。

 日持ちして持ち運びやすく、京都らしい和菓子土産としてすすめたいのが、ふやき煎餅。もち粉や餅を使い焼き上げた、軽くて香ばしい煎餅だ。食感や意匠、表面に引く蜜にもそれぞれ店の個性があり楽しめる。

『青久』は老舗『末富』がプロデュースする、現代的な和菓子ブランド。ふやき煎餅を4種のチョコレートで包んだAoQのチョコふやきは、甘さ控えめのチョコを薄めに纏わせ、煎餅の香ばしさや食感を残している。

『鍵善良房』の濤々はもともと、2022年に閉店した『京華堂利保』の代表菓。武者小路千家家元・有隣斎宗匠のお好みだったことから『鍵善良房』が受け継いだ。砂糖蜜で渦の文様を描いたふやき煎餅で、大徳寺納豆を練り込んだこし餡を挟んだ一品。「レシピは受け継いだが、使う餡が違うため同じにはならない。そこが難しかった」と15代目の今西善也さん。試みを乗り越え完成した濤々は、祇園町で新たな歴史を刻む。

「京都さんぽ部」部長、ライター、コーディネーター。 大和 まこ

「京都さんぽ部」部長。ライター、コーディネーター。京都暮らしも、もはや25年目に。連載「&Kyoto」は2022年に100回目を迎えて継続中。京都の景色や、食べたもの、買ったものをInstagram()で発信している。

&Premium No. 124 Kyoto Solo Trip / やっぱり、ひとりでも京都。

京都の街を巡り歩くとき、なぜこんなにも心が浮き立つのでしょうか。風情ある神社仏閣や庭、精緻な工芸品を扱う店や美しい佇まいの町家に出合ったかと思えば、そのすぐそばには個性的なコーヒーショップや書店、ギャラリーや生活道具の新店が。長い歴史の中で脈々と息づいてきた伝統と、新しいカルチャー、そして〝ふだんの表情〞を、さらりと共存させる街、京都。今号は、ひとりでも楽しめる京都、そして、ひとりだからこそさらに楽しい京都を案内します。

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