NISA利用者の特徴とは?

ここからは、現在NISAを利用している人の傾向を深堀していきましょう。

いつからNISAを利用している? 


NISAの利用を開始したのはいつ?

NISAを「現在利用している」と答えた方に、利用開始時期を伺ってみたところ、全体の約8割が新NISA開始以前から利用していることが分かりました。ただし、Z世代は新NISAを機に利用を開始した割合が約3割と、他の世代よりも高いようです。

若年層ほどアプリ・Webで開設する傾向に 

NISA口座の開設は各金融機関の窓口だけでなく、アプリやWebでも手続き可能です。現在の利用者はどのようにして口座開設したのでしょうか。


NISA口座の開設手段

今回の調査で最も多かったのは「金融機関の窓口での開設」でした。特にX世代の割合は約6割にも上ります。しかしY世代を見ると、「金融機関の窓口での開設」と「アプリ・Webを利用して自分で開設」した割合の差が縮まっています。

Z世代もアプリ・Webを使った口座開設の割合が高いですが、知人や金融機関の職員に操作を習いながら口座開設をした割合がY世代よりも高いようです。Z世代は、他の世代より金融リテラシーが低いと感じており、プロや知識のある人にしっかり聞いた上で始めたいと慎重に考えていた、と推測できます。

金融機関を選ぶ基準TOP5は? 

NISA口座は1人につき、1つの金融機関でしか開設できません。ではその金融機関はどのような基準で選ばれているのでしょうか?各世代のTOP5は以下の通りになりました。


NISA口座を開設した金融機関の選定基準

どの世代も「自分が普段利用している口座がある銀行だったから」が最も多い結果に。次いで、X・Y世代は、「金融機関の窓口で勧められたから」と答えた割合が高く、この2つの連動性も推測できます。一方Z世代は「友人・知人に勧められた」と答えた割合の方が高い結果となりました。

またY世代の特徴として、取引手数料の低さやクレジットカードでの支払い可否など、「お得感」を重視している傾向にあるようです。

NISAを利用することで将来の不安は解消されている? 

第1回のマネーインサイトラボの調査結果で、多くの方が「お金の悩みや不安を感じたことがある」ということが分かりましたが、NISAを利用することによって将来の不安は解消されているのでしょうか?


NISAを利用することでどの程度将来への不安が解消されている?

どの世代も多くは「分からない」と回答し、4人に1人以上が「解消されていない」と回答しています。ただし、Z世代は他の世代に比べて、ある程度将来への不安が解消されていると回答した割合が高いようです。

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NISA未利用者の「利用しない理由」とは?

未利用者は依然、新NISAに消極的 


新NISAを機に利用を開始する?

続いて、現在NISAを利用していないと回答した方に「新NISAを機にNISAを利用したいかどうか」を伺ってみました。
全体の半数が「まだわからない」と回答、17.4%が「利用したいと思わない」と回答し、消極的であることが分かります。特にZ世代は約4人に1人が「新NISAが始まったことを知らない」と回答し、ここにもX・Y世代と比べて認知度が低いことが表れていました。

では、利用したくないと思う理由はどこにあるのでしょうか?

利用したくない理由、多くは投資への知識不足 


NISAを利用しない理由

最も多い回答は「自分の知識が足りないから」。次いで「仕組みが分からないから」「お金がないから」という理由が続きます。2023年3月に実施した調査でも同じ理由が上位に並んでいることから、依然として自身の投資に対する知識や制度に対する理解不足が障壁となっているようです。

世代別に見ると、投資に対する知識や制度に対する理解不足の傾向はZ世代で強く見られます。また全体で4番目に多い「損したくないから」という理由は、Z世代が他の世代よりもやや少ないことが分かりました。バブル崩壊やリーマンショックなどの金融危機を身近で経験していない世代であることが理由のひとつと推測できますが、Z世代はある程度のリスク許容度があるとも捉えられます。
これらの結果から、Z世代にNISAや投資の仕組みを分かりやすく伝えることができれば、NISA利用へのハードルを下げられる可能性が見えてきました。