突然喉が締めつけられる、詰まったりするような違和感が起こり、ずっと治らない。風邪でもなく、病院で検査をしても異常は見つからない……わからないことだらけのこの症状は「咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)」もしくは「ヒステリー球」と呼ばれます。一体、何が原因で起こるのでしょうか? 耳鼻咽喉科医の高島雅之先生に教えてもらいました。

監修/高島雅之先生(たかしま耳鼻咽喉科院長)
日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本睡眠学会専門医。金沢医科大学医学部卒業。金沢医科大学耳鼻咽喉科で講師を務めたのち、2007年に開院。「病気の状態や経過について可能な範囲でわかりやすく説明する」ことをモットーに地域医療に従事。「宇都宮スリープセンター」を併設し睡眠医療にも携わる。テレビやラジオなどメディアでも、いろいろなジャンルにおいて医療情報を発信。著書に『専門医が教える鼻と睡眠の深い関係 鼻スッキリで夜ぐっすり』(クロスメディア・パブリッシング)があり、Amazonのカテゴリー7つで1位を獲得。

「咽喉頭異常感症」とは?

病変が見つからない喉周りの異常の総称



喉が締めつけられる、詰まる、圧迫感を感じるなど喉に異常を感じるのに、病院で検査をしても病気や障害が見つからないことがあります。これといった原因が特定できない喉の異常や違和感を総称して「咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)」と呼びます。

なお呼び方は診療科によって異なり、主に精神科では「ヒステリー球」、東洋医学では「梅格気(ばいかくき)」といいます。

締めつけ感、詰まり、呼吸困難など症状はさまざま

喉が締めつけられる・何かが張りついている感じがする・喉の奥が詰まるなど、咽喉頭異常感症の症状はさまざまです。喉が狭くなった感じがして呼吸が苦しくなる、食べ物が飲み込みにくくなる、痰の絡みが取れない、咳込むといったこともあります。

不快な症状を気にすれば気にするほど、悪化することも多いです。

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ウイルスによる喉の風邪とは別物

風邪をひいて喉が炎症を起こしている場合は、処方された薬を服用することで喉の違和感も治まっていきます。ところが咽喉頭異常感症は風邪ではないので、例えば去痰薬などを処方されても、症状は変わりません。

目安として、1カ月以上喉の違和感が続く場合は、咽喉頭異常感症が疑われます。