何かと物の値段が上がり家計が苦しいと感じている人も多いと思いますが、2024年は医療費の負担も増えることになりそうです。診療医療・介護・生涯福祉サービスの報酬・基準が同時に改定される「トリプル改定」として注目されています。トリプル改定の中身に加え、そもそもどのように医療費が決まっているのか?領収書などを見る際の注意点は?1つ1つ解説をしていきます。

診療報酬とは、どうやって決まる?

医療機関に支払う費用のことを「診療報酬」といいます。日頃、「病院代」や「治療費」などと言うこともありますが、この診療報酬は厚生労働大臣が医療行為1つ1つに点数を付けており、その点数を基に支払う金額が決まります。

日本は憲法においても、私たちは「健康で文化的な最低限度の生活」を営む権利があるとされています。よって「病気やケガをして、高額な医療費が負担となり治療を受けられない…」ということがないように、医療行為1つ1つに点数を付けることで、医療行為の標準化を実現しています。そして健康保険をはじめとする医療保険制度のおかげで医療費の負担が抑えられているのです。

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病院受診した際の「領収書」で見る診療報酬、その見方


領収書
【画像出典元】「stock.adobe.com/琢也 栂」

受診後に領収書をもらうと、以下のように保険診療が点数で記載されています。実際の領収書を抜粋していますが、下記の図表では初診料が292点となっています。原則、初診料は288点と定められていますが、これはマイナンバーカードを保険証として利用した場合です。通常の保険証を利用すると4点加算され292点となります。

その他、病院の病床の数や受診した時間が診療時間外の場合などによって初診料も異なりますが、それぞれ一定の点数が定められています。

実際の領収書から抜粋し筆者作成(※病院によって表記方法等異なります)

上の図表の場合、『(社保・家族・3割)』とありますので、会社員の方の扶養家族の診療であることを意味します。3割が実際に負担する割合となります。

合計が1583点となりますので、診療報酬は1万5830円となります。その3割は4749円となりますが、10円未満は四捨五入するという定めがありますので、実際に支払う額は4750円となります。

保険適用外の点数は、入院した場合の差額ヘッド代や医師の診断書をもらう場合の文書料などがあります。これらは原則、全額自己負担となります。