サボテン金鯱を買える場所と値段
金鯱は比較的多くの園芸店で扱っている大衆向けのサボテンです。
大型の園芸店やホームセンターでは2〜3千円台の小さなものから、数万円するかなりの大株まで幅広く揃っています。
街の園芸店でも小ぶりな金鯱の鉢植えを1,980円で売っているところを何度か見たことがあります。
また、雑貨店などでおしゃれにデコレーションされたものが1〜2万円で販売しているのもよく見かけますが、この場合、金鯱よりも、鉢やデザインそのものに価格の比重があるように見受けられます。
ちなみに私がよく訪れる園芸店では、トゲを含む直径約10cmで 3,000円程度のものがよく売れるとのこと。
金鯱はメルカリでも常時多数が出品されている定番のサボテンなので、入手経路の広さや値段の幅広さも人気の秘密なのかもしれませんね。
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サボテン金鯱の育て方5つのポイント
ポイント①適した栽培環境
成長期(春〜秋)の栽培環境
金鯱は日光が大好きなサボテン。
このため、成長期(春〜初秋)は屋外に出し、日が落ちるまでたっぷりと太陽光を浴びさせてあげてください。
しかし、猛暑日は注意が必要です。
本来、金鯱のように耐光性の強い種類のサボテンは、成長期は屋外で存分に陽射しを与えることで、健康で大きな株に育てることができました。
しかし、異常気象が著しい近年の夏の太陽光は、あらゆるものに深刻な被害を与えるほどの強光線のため、直径が10cm(トゲ含む)に満たない耐光性の弱い小さな株は日焼けを起こす可能性があります。
日焼けを起こしたサボテンは、それが原因で弱っていく可能性があります。
このため、小さい金鯱は、夏になったら、市販の寒冷紗などを使い20%ほど遮光することが望ましいです。
大きくなっても急激に直射日光には当てず、段階を踏んで徐々に強い陽射しに慣らしてあげましょう。
ちなみに寒冷紗とは農作物の防霜・防虫・防鳥・防風のために使うネットです。
広げるとこんな感じ。好みの大きさに切って使うこともできる。 [参考商品]
梅雨の栽培環境
金鯱はドライな環境を好むため、梅雨の長雨の時期は屋内に取り込んで栽培してください。
しかし、せっかく成長のスイッチが入っているのにずっと屋内にいると、本来のよい形に成長しない「徒長」をしてしまうため、植物育成LEDライトを用いて一日8時間は照射してあげるとよいでしょう。
金鯱は強光線が好きなので、光の色を太陽光に寄せたフルスペクトルタイプのLEDを搭載し、20Wの高出力タイプのものがおすすめです。
[参考商品]
ただし、たまに陽射しがさす時には、それが2〜3時間であってもリアルな太陽光にあててあげましょう。
また、屋内に取り込んでいる時は、サーキュレーターを回して室内の空気を循環させ、光合成を促してあげましょう。
[参考商品]
サボテンはCAM型光合成といって、昼と夜の2段階に分けて光合成を行うため、夜間もサーキュレーターを回し続けてあげるとよいです。
冬の栽培環境
金鯱は基本的には耐寒性が強いサボテンですが、安全のため夜間の最低気温が10℃を下回るようになったら屋内に取り込みましょう。
しかし、暖かい部屋に避難させるのではなく、屋内でも室温が10℃〜12℃くらいの場所で管理します。
これは季節ごとの気温差を覚えさせることにより、生育にメリハリがつき、強いサボテンに育つためです。
ちなみに、梅雨時同様にサーキュレーターを回してあげるとよいです。
そして桜の開花宣言が出た頃合いで、徐々に外に出してあげましょう。
写真のように冠雪してしまった場合は、天頂の成長点を保護するためにも速やかに雪を落とし、屋内に取り込むべし。
ポイント②水やりと施肥
4月〜10月
成長期は、用土表面が乾いたら、鉢底穴から水が流れるほどたっぷりと与えます。
上から水をかけると天頂部の綿毛が傷むので、写真上のように株の周囲に円を描くように与えてください。
株の大きさにもよりますが、直径10cmくらいの株で、7〜10日に1回といった感じです。
施肥は、月に1回、ハイポネックスなどの液体肥料を規定量より若干少なめにあげます。
11月〜12月中旬
冬季の断水に向け、水やりを減少させていきます。
タイミングとしては、鉢内の水気がほぼ無くなった状態で水やりを行い、量としては鉢の中の土が半分くらい湿ったかな、くらいでOK。
土の中の水分の様子は、竹串を用いると分かりやすいです。
鉢の縁に竹串を刺し、引き抜いた時の竹串の湿り具合で判断できます。
12月下旬〜2月
気温の低下や水やりの減少、また日照時間の変化を感じ取った金鯱は、徐々に休眠に入ります。
金鯱に限らず、サボテンは休眠状態に入ると、以降は余分な水分を取り込まずに、今蓄えている水分をちょっとずつ消費しながら生きていこうとします。
つまり、冬場は根が吸水パフォーマンスを極端に落とすため、断水を行ってください。
3月
3月はちょうど冬と春の境目。4月に春が来て急激に水やりを行わないよう、眠っている金鯱をそっと起こしてあげる準備をします。
前半2週は週に1度、用土表面が湿ったのが分かる程度の水をあげ、後半2週は週に1度、鉢の中の土が半分くらい湿ったかな、くらいの水をあげます。
ポイント③植え替えと用土
●まず大前提として、植え替えは梅雨を除く成長期に行います。冬季は行わないでください。
購入した金鯱を新たな鉢に植え替える場合は、一回りほど大きい鉢に植え替えましょう。
鉢が大きすぎると水やり時に蓄える水の量も多くなり、残水により根腐れを起こす可能性があるため気をつけましょう。
土は、各種メーカーが販売している市販の多肉・サボテン用土で大丈夫です。
また、ナーセリー(育苗業者)などが特別に調合した、いわゆる“生産者の作る土”で栽培してみるのもおすすめです。
生産者の作る土はナーセリーが運営するWebショップなどで購入できます。
私愛用のオザキフラワーパークオリジナルのサボテン用土。
購入して以降の植え替えのタイミングは、土が劣化し通気性排水性も悪くなる2〜3年に一度のサイクルが理想的です。
植え替える時は、サボテン専用のグローブなどを使用し、トゲで怪我をしないように気をつけてください。
[参考商品] このくらい厚手ならトゲも安心。 Pix:amazon.co.jp
植え替えは、株を鉢からそっと抜き、ポロポロと落ちる細根以外の根を傷つけないように丁寧に扱ってください。サボテンの根は繊細なため、傷つくとそこから細菌感染し病気になるおそれがあるからです。
柔らかく揉み、全体の2〜3割程度の土が落ちたら新しい土に植え替えます。
植え替え後、1週間は水をあげずに半日陰で管理します。
1週間ほど経ったら水やりを行いますが、この時に、規定量の半分のメネデールを混ぜた水をあげ、「芽根出〜ろ、芽根出〜ろ」と祈りを捧げます。
ポイント④日常のお手入れ
特に日常のお手入れは必要ありませんが、日々観察することが重要です。
肌の様子、トゲの様子、成長点(てっぺん)の具合など、きちんとチェックしてあげることで、不調のサインが出た時に一早く気付くことができます。
一定方向にばかり太陽が当たる環境の場合は、定期的に鉢を回し、まんべんなく日光浴をさせてあげることで綺麗な球形に仕立てられることが期待できます。
ポイント⑤注意すべき病害虫
カイガラムシへの注意が必要です。
カイガラムシは高温多湿の状態で発生しやすくなります。
カイガラムシは生きている時は見つけにくく、多くの場合、死骸や糞となってから発見されます。
動画で緋牡丹錦から駆除している白いペースト状のものは、まだやられて間もないカイガラムシの糞。
爪楊枝などで幹肌に傷をつけないように慎重に駆除しなければならないため、厄介なんです。
予防措置として、梅雨入り前にカイガラムシ駆除薬剤を散布しておくことをおすすめします。
もう一つ厄介なのが、屋外で管理している時に、飛来したブタクサのタネが鉢内で発芽し、根付いてしまうことです。
ブタクサは成長が早いため、放置していると土の中で伸びた根が金鯱の根を圧迫してしまいます。
このため、雑草を発見したら若芽のうちに速やかに根こそぎ抜いて駆除しましょう。