「リジェネラティブ・ベーカリー」シリーズ vol.12
東京都・世田谷区にある「Boulangerie du Desir(ブーランジェリー ドゥ デジール)」のシェフに話をお聞きしました。
一昨年放送された大人気テレビドラマ『silent』の舞台となった小田急線「世田谷代田」駅から徒歩7分。
環七沿いを歩いて「宮前橋」交差点を左折、茶沢通りに向かって歩くと右手にあるガラス張りのお店がデジールさんです。
「下北沢」駅までも徒歩10分強なので街ブラするのにぴったりな場所にあります。
入口にあった営業日時を掲出している窓枠やこちらのショーケース、アンティークの風合いが落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
日々の食事パン、甘い系、惣菜系などが美しく並べられています。
大切にしているのは北海道の食材を使うこと
2021年12月にオープン。
オーナーが北海道出身ということで、北海道の美味しい食材を使うことをモットーとされています。
プライスカードに書いてある『赤井川村の山中牧場のバター』『七飯町のななエッグ』『鹿部町の噴火湾たらこ』など、商品説明の文字を読むだけでも美味しそうでお腹が減ってきます(笑)
粉ももちろん北海道産をメインに使用。
その中でも、食の安心を守る取り組みをされている北海道・十勝地区にある「アグリシステム株式会社」さんの想いに共感し積極的に使われているとのこと。
さらに、オープン当初は外国産のライ麦を使用していたそうですが、アグリシステムさんから食用品種のライ麦“ハンコック”が発売されたことを機に変更されたそう。
「ハンコックに変えてみて感じたのは、製パン性が高く水和性もいいことですね。食感もしっとりまとまり、ライ麦特有のクセもないですね」
「オーナーが北海道出身であることもそうですが、お店で使っている食材の生産者さん達は、こだわりを持って安心・安全なものを手間をかけて美味しく作ってくれています。
私たちはその想いを受け取り、パンという形にしてお客様に届けるのが役目だと思っています」
と話してくださいました。
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北海道産ライ麦を使ったパンをまずは実食
◆カンパーニュ
ライ麦20%使用。
クラムの気泡が艶やかで、高加水であることを感じさせます。
草原を思わせる爽やかなライ麦の香り。
クラストをちぎって口に運んだ瞬間「なにこれ?ものすごく甘みを感じる!」
砂糖などの甘みではもちろんありません。
超微量の自家製酵母でゆっくり丁寧に熟成させているからなのでしょうね。
底面はしっかりと焼きの香ばしさが楽しめて、クラムはむっちり。酸味も気になりません。
水分はあるのにカットしてもナイフに生地はつかず口の中でもべたつかず。
皆が気に入るであろう優等生なカンパーニュ♪
◆4種のフルーツとクリチ
その優等生なカンパーニュ生地に4種のフルーツ(クランベリー、イチジク、ブルーベリー、フランボワーズ)を赤ワイン、カシスリキュールで漬け込んだものを混ぜた「サングリア」というパンに、たっぷりのクリームチーズ。仕上げにハチミツも。
カリッむぎぎと引きのあるクラストの先に現れる超絶ジューシーでフルーティーなクラム。
芳しい香りにつられるままに夢中で食べ進めてしまう。
フルーツとはちみつの甘さをクリームチーズの酸味とライ麦を配合した奥行きのある生地がしっかり受け止めていて美味しい。
おやつはもちろん、お酒にも良く合うはず。