子どもの保険加入を考えるためのポイント 


保険
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子どもに限らず大人も含め、保険に加入する際は「何が目的で保険に加入するのか?もし保険に加入するのであればいつまで必要なのか?」ということをしっかり考えましょう。

そもそも論になりますが、保険は生命保険と損害保険に大きく分かれます。なんとなく「子どものために保険を」ということであれば、まずはなんのために保険に入るのかをハッキリさせましょう。

病気やケガなどに備える医療保険や傷害保険のほかに、学資保険のように将来の教育費を準備するための保険もあります。そのため、病気やケガに備えるものなのか、もしくは将来の教育費に備えるものなのかによって選択が異なってきます。

加入の目的

1)    入院保障がほしい
医療保険が該当します。病気やケガで入院した際に給付金を受け取れます。現在、子どもの医療費は無料になったり、入院時の負担が少額で済んだりするような助成制度が全国の全自治体で準備されています。助成制度を考慮すると積極的に加入する必要性は低いのではと考えます。

2)偶然の事故に備えたい
傷害保険が該当します。傷害保険は補償対象が偶然の事故などによるケガに由来するものに限定されます。したがって病気での入院には対応していません。

3)教育費を準備したい
教育費を準備する手段として、よく利用されている保険が学資保険です。人気の学資保険のタイプは、「子どもが誕生のタイミングで加入、0~10歳まで保険料を支払い、17歳や18歳で満期祝い金を受け取る」というものです。

以前は支払った保険料に対する満期祝い金の増え方が良かったのですが、近年の増え方は残念ながら芳しくありません。生命保険会社や商品によって少々異なりますが、子どもの年齢が0~10歳までの期間に支払った保険料が100万円とすると、17歳時に受け取れる満期祝い金は102万~106万円程度です。

このように「お金を増やす」という意識で選択するには少々物足りませんが、投資信託などと異なる点は、加入時に将来の受取金額が確定していることに加え、もし契約者(親権者)が亡くなったとしても満期祝い金分の教育資金が準備できることです。

4)個人賠償責任保険
不慮の事故により第三者にケガを負わせたり、他人の財産を破損させたりした時など法律に基づく損害賠償責任が発生するケースに対して、その損害を補償する保険です。お店で代金を支払う前に商品を落とし壊してしまったり、自転車に乗っていて歩行者をはねてしまったりといったケースを対象にしています。この保険は火災保険や自動車保険などの特約で加入していることが多く、同居の家族(保護者)が契約していれば、子ども単独で契約する必要はありません。

加入の期間

「子どもの保険はいつまで親が面倒を見るか?」ということも考えておきましょう。

1)医療保険や傷害保険
保護者がフォローするのは学校を卒業するまでで良いと考えます。社会人として収入を得るようになったら、子ども自身に考えさせましょう。

2)個人賠償責任保険
子どもが遠隔地の学校に行くために別居しているケースでも、生計が一ということであれば保険の対象です。学校を卒業し、別居で生計が独立した場合は対象外になります。その段階でなにかしらの賠償保険に加入しておくと良いでしょう。

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子ども医療費助成制度とは?

全ての都道府県および市区町村で子どもを対象にした医療費の助成制度が導入されています。対象になる年齢や助成される金額は自治体によって異なりますが、中学校や高校を卒業するまで助成するという自治体が多いようです。なお助成されるのは医療費のみで、差額ベッドや食事代などは対象外です。

下記の表はこども家庭庁が発表したこども医療費に対する市町村による援助の実施状況(2023年4月現在)です。

表:こども家庭庁「こども医療費に対する援助の実施状況」を参照し筆者作成

お住まいの自治体では何歳まで助成があるかご存じでしょうか?自治体により異なりますが、大部分のご家庭では、中学卒業までは子どもの医療費についての心配は少ないと思います。そのため、子どもを対象に医療保険や傷害保険に加入する必要性はそれほど高くないのではと考えます。

もし子どもを対象にした医療保険や傷害保険の加入を検討するのであれば、お住まいの自治体の助成期間が終了するタイミングで良いでしょう。ちなみに保険会社によって若干の違いはありますが、乳幼児や小学生と高校生の医療保険の保険料を比較しても大差はありません。そのため「年齢がアップすると保険料が高くなる」といって慌てて契約しなくても大丈夫です。