24時間換気システムと換気扇、何が違う?
比較的築年数の浅い賃貸物件で、24時間換気システムという設備がついているのを目にしたことがある方もいるでしょう。
続いては、この24時間換気システムについて、通常の換気扇との違いや種類を解説していきます。
24時間換気システムと換気扇の違い
24時間換気システムと一般的な換気扇では、役割が全く異なります。
一般的な換気扇の役割は、短時間で空気を入れ替えることです。
例えば、キッチンの換気扇なら、料理をする時に動かして、室内に嫌なニオイがこもらないようにします。
また、浴室の換気扇であれば、入浴中や入浴後にスイッチを入れて、湿気を外に逃がすことでカビの発生を防ぎます。
このように、特定の部屋に設置して必要な時に必要な時間だけ動かすのが換気扇です。
一方、24時間換気システムの役割は、室内の空気を循環させてシックハウスや結露などを防ぐことです。
そのためには、常時稼働させる必要があるのです。
24時間換気システムの種類
24時間換気システムには、大きく分けて3種類の方式があります。
・第一種換気
第一種換気は、給気と換気の両方に換気扇などの機器を付けて、家中に空気の流れを作る換気方式です。
メリットは、扉や窓の開閉の影響を受けにくく、換気ユニットやダクトを取り付ければ、確実に各部屋の換気が行えるところです。
一方で、他の方式よりも電気代がかかることがデメリットです。
・第二種換気
第二種換気は、給気を機械的に行うことで自然排気させる換気方式で、一般的な住宅ではほとんど導入されていません。
換気扇などの機器が給気側だけなので、電気代が安く済むのがメリットですが、給気と排気の位置関係によっては確実な換気が難しいというデメリットもあります。
・第三種換気
第三種換気は、排気のみを機械的に行い自然給気によって空気を循環させる換気方式です。
室内の空気が滞留しにくく結露が発生しづらいため、現代の住宅では最も多く取り入れられています。
他の方式よりもコスト面で優れている点がメリットです。
デメリットは、高気密住宅の場合は、窓を開けると各部屋の換気がしにくくなるところです。
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トイレ・浴室・キッチンにある換気扇の気になる電気代
換気扇は家電製品の中でも使用頻度が高い上、複数ヶ所に設置されていることから、電気代が気になる方もいるでしょう。
しかし実は、換気扇の電気代は他の家電と比べると圧倒的に安い傾向にあります。
ここでは、家の中でも特に使用頻度の高い、トイレ・浴室・キッチンの換気扇について1ヶ月の電気代をご紹介します。
なお、1kWhあたりの電力量料金単価は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価である31円(税込み)として計算しています。
トイレにある換気扇の電気代
一般的にトイレの換気扇には、パイプ用ファンかダクト用換気扇が使われます。
パイプファンの運転モードを「強」にして連続使用した場合の電気料金は、1ヶ月で約42円になります。
また、同じくダクト用換気扇を「強」で連続使用した場合は、1ヶ月で約51円です。
基本的にトイレの換気扇は、小型で換気力もそれほど強くありません。
消費電力は1時間あたり3W程度で、1ヶ月つけっぱなしにしていても電気代の平均は約67円です。
トイレは使用頻度が高く、窓がなかったり小さかったりすることも多いため、室内にニオイがこもりがちです。
ニオイをしっかり排出するために換気扇を常時つけていたとしても、この程度の電気代であれば心配ないでしょう。
浴室にある換気扇の電気代
浴室に設置される換気扇は、主に壁取付形乾燥機と天井埋込型換気乾燥機の2種類です。
浴室の換気扇の消費電力は1時間あたり13~20W程度で、1ヶ月つけっぱなしにしていた場合の電気代は約290円~446円です。
浴室は湿気がこもりやすく、換気扇の使用時間が長くなる場所です。
とはいえ、電気代を節約しようと浴室の換気扇の使用を控えると、カビが発生して呼吸器官系の疾患やアレルギーを発症する恐れがあります。
24時間換気モードが搭載された最新の換気扇を選ぶことで、カビの発生を防ぎつつ電気料金を安く抑えられます。
キッチンにある換気扇の電気代
キッチンに設置される換気扇は、主にレンジフードファンとプロペラファンの2種類です。
レンジフードファンを運転モード「強」で連続使用した場合の1ヶ月の電気代は、約636円です。
また、プロペラファンを連続使用した場合の1ヶ月の電気代は、約446円です。
キッチンの換気扇の消費電力は、1時間あたり30W程度です。
仮に、1ヶ月間つけっぱなしにした場合の電気代は、約670円が目安となります。
常時換気モードを搭載した換気扇であれば消費電力は5W前後のため、1ヶ月の電気代は約112円と、大幅な節約になります。
キッチンの換気扇は、料理中のニオイを排出するために必要不可欠な存在です。
常に清潔な空気を保ちたい方は、常時換気モードを搭載した換気扇の導入もおすすめです。