トケイソウの仲間


Kevinr4/Shutterstock.com

まるで時計のような特徴的な花を咲かせることから名付けられたトケイソウの仲間は、夏らしい雰囲気のある熱帯植物です。主につる性で、行灯(あんどん)仕立てなどの鉢物にするほか、構造物に誘引しても楽しめます。パッションフルーツのように実を食用とするものもあります。種類によって性質や耐寒性が異なるので、それぞれの性質を確認して栽培しましょう。

日当たりと水はけのよい場所で育て、成長期はつるがよく伸びるので、こまめに誘引を行います。春から秋にかけては鉢土の表面が乾いたら水をたっぷりと与え、冬の水やりは控えめに。庭植えにする場合は、寒さに強い品種を選び、北風の当たらない日向に植えるとよいでしょう。マルチングなどの防寒対策も効果的です。鉢植えは1~2年に1回植え替えをしましょう。

【DATA】
■ 学 名:Passiflora
■ トケイソウ科
■ 多年草
■ 開花期:5~10月(種類により異なる)
■ 植え付け:4~6月
■ 草 丈:3m以上
■ 日 照:日向

(広告の後にも続きます)

ガザニア


Nitr/Shutterstock.com

春から秋にかけて、王冠のようなくっきりとした花形の、色鮮やかな花を咲かせるガザニア。曇りや雨の日には花を閉じる性質を持っています。光沢のある花弁は陽射しを浴びて美しく輝き、人々の目を惹きつけます。

日当たりが悪いと花が開かないことがあるので、日当たりと風通しのよい場所に植え付けます。高温乾燥に強い反面、多湿に弱いので、水はけのよい土に植え付け、梅雨時の管理は要注意。鉢植えの場合は、水は鉢土が乾いてから与え、過湿にならないよう気をつけましょう。花がらは花茎のつけ根から切り取ります。

【DATA】
■ 学 名:Gazania
■ キク科
■ 多年草
■ 開花期:4~9月
■ 植え付け:3月下旬~5月上旬、9月下旬~11月上旬
■ 草 丈:15~40cm
■ 日 照:日向

カンナ


Bukharina Anna/Shutterstock.com

大きな美しい葉が印象的なカンナは、真夏の炎天下の下で、色鮮やかな花を咲かせます。個性的なカラーリーフ品種も多く、銅葉や黄金葉、鮮やかな縞斑が入るものなどさまざま。性質も丈夫で育てやすく、インパクトも抜群のセミトロピカルプランツです。


AMNAT DPP/shutterstock.com

日当たりと水はけがよい、肥沃な土地を好みます。高温期は肥料も水もたっぷりと与え、休眠する冬は乾燥気味に管理しましょう。庭植えの場合は水やりはほとんど必要ありません。冬季に-7℃以下になる寒冷地では冬越しは難しいため、晩秋に地上部を切り落として掘り上げ、新聞紙などで包んで屋内で管理しましょう。翌春にまた植えつけます。

【DATA】
■ 学 名:Canna
■ カンナ科
■ 多年草
■ 開花期:6~10月中旬
■ 植え付け:4月下旬~5月、9月
■ 草 丈:40~160cm
■ 日 照:日向

(広告の後にも続きます)

宿根フロックス


Yuriy Chertok/Shutterstock.com

宿根フロックスには多くの種類があり、夏に咲くパニクラタ(パニキュラータ)種は、落ち着いた色から鮮やかな色まで花色もさまざまで、花が少なくなる夏花壇の彩りとして活躍してくれます。背が高いので花壇の後方に植え込むのに向きます。陽射しや暑さ、乾燥に強く、耐寒性もあるので、植えっぱなしで毎年楽しめます。


Oleksiichik/shutterstock.com

日当たりがよく、少し乾き気味の場所を好み、痩せた土地でもよく育ちます。風通しの悪い日陰や多湿の環境では、間延びしたり、うどんこ病の害が出やすいので注意しましょう。花茎を切る前に、花がらを指でつまむように丁寧に引き抜いておくと、再び中央からつぼみが出て繰り返し開花します。冬は落葉するので、茎は短く切り戻します。

【DATA】
■ 学 名:Phlox paniculata
■ ハナシノブ科
■ 多年草
■ 開花期:4~12月
■ 植え付け期:3~5月、10月
■ 草 丈:50~100cm
■ 日 照:日向

アジサイ


Aivship/Shutterstock.com

梅雨を彩る花の代表格といえばアジサイ。日本自生の植物なので、乾燥にさえ気をつければ育てやすくて手がかからず、庭植えでも鉢植えでも楽しむことができます。最近では新しい園芸品種も次々に登場しており、花色や咲き姿もさまざまな品種があります。時間とともに花色が移ろい、シックな花色を楽しむ秋色アジサイも、フラワーアレンジなどで人気が高い素材です。

アジサイは水を好むので、水切れには注意し、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。庭植えにすればほとんど手入れをしなくても大丈夫ですが、乾燥が続く時は水を与えたほうがよいでしょう。土の酸度により花色が異なることがあります。剪定の時期が遅れると花芽を切り落としてしまい、翌年花数が少なくなることがあるので、剪定は花後早めに行いましょう。ただ、アメリカノリノキ‘アナベル’は春に花芽ができるので、冬に剪定しても構いません。

【DATA】
■ 学 名:Hydrangea macrophylla
■ アジサイ科
■ 低木
■ 主な開花期:6~9月
■ 植え付け期:12~3月
■ 樹 高:2m程度
■ 日 照:半日陰~日向

プルンバゴ(ルリマツリ)


aoya/Shutterstock.com

初夏から秋にかけて、涼やかな青色や白色の花を房状に咲かせる和名、ルリマツリ(瑠璃茉莉)は、丈夫で育てやすい熱帯花木。半つる性で枝はよく茂り、フェンスなどに絡ませて楽しむこともできます。ある程度耐寒性もあり、関東地方の平地では戸外で越冬できます。


alybaba/shutterstock.com

日当たりのよい場所での栽培に向きます。大きくなるので、庭植えの場合はスペースを十分にとって植え付けましょう。成長期には水切れに注意し、鉢土の表面が乾いたらたっぷりと水を与え、冬は乾かし気味に管理します。開花中は随時追肥を施しましょう。枝が込んできたら適宜剪定します。

【DATA】
■ 学 名:Plumbago auriculata
■ イソマツ科
■ 低木
■ 開花期:5~11月
■ 植え付け期:4月中旬~6月
■ 草 丈:0.3~3m
■ 日 照:日向

●『ルリマツリ(プルンバゴ)はどんな植物? 特徴や育て方についてご紹介』

Credit

文 / 3and garden



スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。