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●応仁の乱の前年に開業した菓子・そばの名店『本家尾張屋 本店』。数百年愛され続ける理由を探ってきた。
日本有数の観光地として知られる京都。数百年の歴史を持つ名店が数多くあり、”100年でもまだまだひよっこ”だと言われています。せっかく京都を訪れたなら、長年愛される老舗で食事を楽しみたいですよね。
そんな方におすすめなのが、烏丸御池(からすまおいけ)駅から徒歩3分の場所にあるそば処『本家尾張屋(おわりや) 本店』。重要文化財に指定されている「二条城」や、明治維新まで天皇が暮らしていた「京都御所」といった観光スポットへも歩いて15分ほどで行けるので、観光ついでに立ち寄れます。
室町時代に創られた『本家尾張屋 本店』
宮内庁御用達として認められたそばの名店
『本家尾張屋 本店』が創られたのは、なんと応仁の乱の前年にあたる寛正6年(1465)。もともとは菓子屋としてスタートしましたが、製菓の「練る・切る・伸ばす」という技術が麺づくりにも応用できることから製麺を請け負うようになったといわれています。江戸時代中頃の1702年にそば屋として開業した後、御所に出入りする”御用蕎麦司(ごようそばつかさ)”となり、550年近くにわたって京都の人々に愛されています。
平日の11時半に訪れてみると20人近く並んでおり、30分待って入店。休日には1時間以上待つこともあるようなので、開店前か少し遅めの時間に行くのがおすすめです。
そば屋と菓子処を結ぶ中庭
「寶(たから)」と書かれた暖簾の奥には、趣ある中庭と明治初期に建てられた木造建築が広がっています。店内にはテーブル席と茶室、広間の座敷があり、落ち着いた雰囲気の空間でゆっくり食事を楽しめますよ。
比叡山の伏流水を使った香り豊かな「打ち立てそば」を上品なつゆでいただく
1100円
注文したのは「せいろ」。同店では、北海道音威子府(おといねっぷ)産のそば粉を使って毎朝製麺し、コシと香りを楽しめるよう注文を受けてから湯がいているそうです。味の決め手となるのは京都の名水。井戸から汲み上げられる比叡山水系の伏流水で、そばや出汁を作っています。
香りとコシがたまらない
しっかりと冷水で締められたそばはツルッとしたのど越しで、気温が上がるこれからの時期にぴったりです。つゆには、利尻昆布や宗太鰹、ウルメ、サバ節をふんだんに使用。昆布出汁が効いた甘めの味で塩味は控えめなので、そばの香りがしっかりと引き立っています。
シメは旨味が溶け出したそば湯
ちょうど食べ終わったタイミングで、そば湯が運ばれてきました。とろりとした乳白色のゆで汁をつゆに入れて飲むと、そばの香りと出汁の風味が立ちのぼり、思わずため息をつきたくなるおいしさ。江戸時代の皇室の人々も同じものを食べたのかと思うと、なんだか贅沢な気分になりました。
お茶請けに最適! 素朴な味わいの「そば餅」
素朴なそば菓子が並ぶ石造りのカウンター
ランチを終えたら、併設の「菓子処」でお買い物。モダンな空間にはそば粉を使ったお菓子がずらりと並んでいます。今回は、江戸時代末期から明治時代ごろに誕生したという代表銘菓「そば餅」(140円)を購入してみました。
「そば餅」140円 [食楽web]
皮にはそば粉が練り込まれていて、口いっぱいに広がる香りと風味を楽しめます。中に入っているのは北海道産小豆を使用した上品なこし餡。ホロホロとした食感の皮と香ばしい黒ごま、しっかりとした甘味の餡のバランスが絶妙で、濃いめの緑茶やコーヒーとよく合います。
温めると香ばしさがアップ
パッケージに「トースターで温めてもおいしい」と書かれていたので、半分だけ焼いてみることに。4~6分温めると皮はパリッと香ばしく、中は少しとろっとした食感になりました。素朴でどこか懐かしい味わいの「そば餅」は、京都旅行のお土産にぴったりですよ。
調査結果
『本家尾張屋 本店』は1465年の創業以来、550年近くにわたって愛され続ける老舗そば店。落ち着いた雰囲気の店内で、歴史を感じながらゆっくりとそばを堪能できます。観光の合間にぜひ立ち寄ってみてください。
(撮影・文◎安達春香)
●SHOP INFO
本家尾張屋 本店
TEL:075-231-3446
住:京都府京都市中京区車屋町通二条下る
営:11:00〜15:30(L.O.15:00)※菓子販売のみ9:00〜17:30
休:1月1日・2日
https://honke-owariya.co.jp/shop/
本家尾張屋 菓子処
TEL:075-231-3446
住:京都市中京区車屋町通二条下る
営:11:00〜16:00
休:不定休
https://www.instagram.com/honkeowariya_kashi/