庭をめぐる
白色の花で統一された庭の一角。専任のガーデナーが季節折々の花を演出している。
庭では春を告げるアーモンド、姫リンゴの花、5月には白バラ‘スワニー’が開花し、季節の花々を楽しむことができる。バラは前庭や屋上庭園にも植えられ、17種類を数える。
(左)オリーブの木が銀色の葉を風に揺らす庭では、都会にいることを忘れるほど、ゆったりとした時が流れる。(右)すっくと立つ糸杉の木。
中央に植えられたシンボルツリーは、推定樹齢500年のオリーブの木。スペインとの交流400年を記念して、2013年にアンダルシアからやってきた。夏から秋にかけて実を付け、大きな籠いっぱいの収穫があるという。
鳥の巣箱のオブジェ。
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ガーデンでの催し
小鳥たちが遊ぶ庭の噴水。
レストランのガーデン席での食事(4月から)、全館を利用したウェディング・パーティー、初夏に催されるスペインナイトなど、いずれも庭を楽しむことができる催しだ。
(左)庭の小道を散策すると、さまざまな草花に出合うことができる。(右)「小鳥の館」にちなんで、邸の修復中に作られた焼き窯。地下にあったボイラーの鉄蓋や、外壁のタイル片が使われた。今は現役引退で、庭のオブジェとなっている。
5月のバラ
庭の中央付近に咲く、1978年メイアン作出の小輪白バラ‘スワニー’。
5月のバラの季節に小笠原邸を再訪した。庭の中央ではバラ‘スワニー’が満開で白い清楚な姿を見せている。壁沿いには‘フロレンティーナ’という赤いつるバラが。
壁沿いに仕立てられた‘フロレンティーナ’というつるバラ。
屋上に上がると、ピンクと白のバラ‘安曇野’が光を浴びて輝くように咲き誇っている。カフェでくつろいだ後に、バラの庭を散策できるのは嬉しい限りだ(2024年5月21日撮影)。
屋上で満開の一重バラ‘安曇野’。
(左)屋上にはクレマチスの彩りも。(右)シックな色合いのゼラニウムのハンギング飾りが、クラシックな照明とよく似合う。
エントランス付近では‘紅玉’という名前のバラがゲストを出迎える5月。
かつて貴族たちが集った小笠原邸の室内、パティオや庭で過ごす。それは極上のひとときに違いない。
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Information
スペインレストラン小笠原伯爵邸
住所:162-0054 東京都新宿区河田町10-10
電話:03-3359-5830
ランチ 11:30~15:00
ディナー 18:00~22:00
予約制
OGA BAR &Café 12:00~20:00 予約不要
アクセス:都営大江戸線 若松河田町駅下車、河田口より徒歩1分
*館内、庭園の見学はレストラン、カフェ利用者のみ可能。カフェ利用者の見学時間は15:30~17:00(レストランの貸し切りなどで見学できない日もありますので、事前にお問い合わせください)。
Credit
写真&文 / 松本路子
– 写真家/エッセイスト –
まつもと・みちこ/世界各地のアーティストの肖像を中心とする写真集『Portraits 女性アーティストの肖像』などのほか、『晴れたらバラ日和』『ヨーロッパ バラの名前をめぐる旅』『日本のバラ』『東京 桜100花』などのフォト&エッセイ集を出版。バルコニーでの庭仕事のほか、各地の庭巡りを楽しんでいる。2023年現在、造形作家ニキ・ド・サンファルのアートフィルムを監督・制作中『秘密のバルコニーガーデン 12カ月の愉しみ方・育て方』(KADOKAWA刊)好評発売中。