プロボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、31)の次期対戦候補サム・グッドマン(オーストラリア、25)が、2024年7月にノンタイトル戦を行うことになった。豪州版「フォックス・スポーツ」(WEB版)が5月28日に報じた。
井上陣営が望む9月開催と思われたが…
記事によると、グッドマン陣営は7月の試合後の12月に井上との世界タイトル戦を計画。世界タイトル戦は日本かサウジアラビアになる可能性が高いとしている。
WBO・IBF世界スーパーバンタム級1位で、井上への指名挑戦権を持つグッドマンは5月6日に、東京ドームで行われた井上対ルイス・ネリ(メキシコ、29)戦を現地で視察し、試合後リングに上がり井上との対戦をアピールした。
4団体王座の防衛に成功した井上は、リング上でグッドマンと握手を交わし対戦を「約束」。井上陣営が望む9月開催で交渉が進むと思われたが、グッドマン陣営が9月開催に難色を示し、12月開催を主張したようだ。
記事では、グッドマン陣営が7月にノンタイトル戦を行う理由について「定期的に試合を行うことで並行して成功を収めてきたやり方を継続したいと考えている」と解説した。
グッドマンは21年と22年は年間3試合をこなし、23年は1年で4試合のハイペースで試合を行ってきた。直近の試合は24年3月で、9月に世界タイトル戦を行う場合、半年近く間隔が空くことになる。記事によると、陣営はこれを嫌ったものとみられる。
記事では、12月に井上との世界タイトル戦が開催された際のグッドマンのファイトマネーについて、こう言及している。
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「井上に勝利すればさらに高額の再戦報奨金を」
「日本かサウジアラビアでグッドマンが井上と対戦する場合、グッドマンは100万ドル(約1億5700万円)の賞金を受け取ることになり、勝利すればさらに高額の再戦報奨金も受け取ることになる」
グッドマンが9月の世界タイトル戦を「回避」したことで、元IBF世界スーパーバンタム級王者テレンス・ジョン・ドヘニー(アイルランド、37)が井上の次期挑戦者に浮上。ドヘニーは井上が防衛戦を行った5月6日の前座に登場し、4回TKO勝利を収めており、試合間隔も問題はない。
記事によると、井上の共同プロモーターである米トップランク社CEOのボブ・アラム氏は同メディアの取材に対して「井上とグッドマンが今年中に対戦することは間違いない」とし、「『モンスター』と呼ばれるファイター(井上)はまず9月に試合を行い、その後12月に再び試合を行う可能性がある」と明かしたという。
年内はスーパーバンタム級にとどまり王座防衛を行っていく見通しの井上。今後の動向に注目が集まる。