ラグジュアリーホテル「W大阪」(大阪市中央区)で子どもがミニカーを紛失したところ、「粋な計らい」で手元に返ってきたというエピソードがXで反響を広げている。投稿者とホテルに詳しい経緯を聞いた。

「なんて遊び心があるんだろう」

話題となっているのは、5歳と2歳の息子をもつXユーザー・卯月(@uduki47)さんによる2024年5月中旬の投稿だ。「先日泊まったホテルのエレベーターの間に次男がGT-R覆面パトカーのトミカを落としてしまい、それが今届いた」とし、

「なんとレッカー車に乗ってきたw 粋な計らいだわ……!!!」

と、ただ戻ってくるだけでなく、新品のミニカーを使った演出が施されていたと感動。W大阪からの手紙には、「レッカー車にてお車のお届けに参りました」「お車に不具合等ございましたら、我々メカニックチームまでご連絡下さいませ」と記されている。

投稿は29万超の「いいね」を集め、「なんて遊び心があるんだろう」「すごい!!可愛い!!センスいい!!」「みんな嬉しい気持ちになるね」「素晴らしいホスピタリティ」と賛辞が広がっている。

卯月さんは27日、ホテルでの出来事を、「(1階で降りる時に次男が)『おとしちゃった…』と言い出し、下を見た途端、トミカはエレベーターと床の隙間に吸い込まれる様に入っていきました」とJ-CASTニュースの取材に振り返る。当時の次男は「すぐには取れない事を伝えると大泣き」で、長男も「ショックそうでした」という。ミニカーは元々、約2年前に長男が初めてのトミカイベントで作った品だった。

すぐにフロントに相談すると、業者問い合わせを経て「その場でエレベーター業者を呼んで回収すると料金が発生するが、月に一度の点検日なら料金は発生しない」と説明され、後者かつ着払いでの郵送を頼んだという。

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「男の子に笑顔になってほしくて」

卯月さんは、「後日ホテルから届いた袋を開封すると写真の通りの状態でプチプチに包まれたレッカー車と落としたトミカが透けて見えました」ともいい、

「長男が『レッカー車付いてる!』と大喜びし、家にあるもう一台のトミカのレッカー車と並べていました。笑 落とした本人の次男も嬉しそうに見ていました」

と述懐した。自身は当初、ほかの客の落とし物が誤って届いたのかと思ったものの、「手紙を読んですぐに理解しホテルの粋な対応に感動しました」とする。

今回のサプライズを演出したW大阪にも取材すると、広報担当が27日、「男の子に笑顔になってほしくて、別々のチーム同士が連携し、アイデアを出し合いました」と背景を明かした。

普段から「遊び心あふれるサービス」を心がけているとし、「今回はそのような私たちのスタンスが上手く表現できた、とてもいい例だと思います」と喜ぶ。具体的な「連携」の内容も説明した。

まず、卯月さんの申告から数日後にエレベーター点検が行われ、「エンジニアの男性がくまなく探し、発見」。「彼も2人の子供がいるので、ミニカーをなくした時の残念そうな息子さんの様子が手に取るように分かりました」と説明する。