「去年着ていた服が似合わない」「何を着たらいいかわからない」「若いときのようにファッションが楽しめない」。そんなファッション迷子になるアラフォー、アラフィフ女性は少なくありません。しかし、パーソナルスタイリストとして大人気の冨永彩心さん、通称「あやみん先生」は「服が似合わないのは年齢のせいではない」と言います。年間200名以上のパーソナルカラー診断や、100人以上のショッピング同行を通してあやみん先生が導き出した、40・50代の「似合う」服の見つけ方、ファッションの楽しみ方を紹介します。

教えてくれたのは…

監修/冨永彩心先生
文化服装学院卒業後、フリーランスのスタイリストとして活動。結婚・出産を機に専業主婦に。13年以上のブランクを経て百貨店の販売員として仕事を再開したのち、独立。現在は、トータルファッションカウンセリングサロンを主宰。「45歳からの生き方をファッションで激変させる」をコンセプトに、年間100人以上のショッピング同行やスタイリスト養成講座を実施。著書に『45歳からの「似合う」が見つかるおしゃれ塾』(主婦の友社)がある。

40・50代になるとなぜ服が似合わなくなる?



服が似合わないのは年齢のせいではなかった!

年齢のせいで「服が似合わない」ということはありません。誰しも必ず似合う服はあります。パーソナルスタイリストとしてたくさんの方と接して感じるのは、「似合う」と「好き」は実は大体同じということ。ただ40・50代は、夫や子どもたちとの関係にも変化が起きたり、更年期などの自分の体調変化や介護の問題などにも追われたりしますよね。そういう生活が続くと無意識のうちに現在、自分の置かれている立場を優先してしまい、好きな服だけを着ていればいいとは思えなくなってくることも。

「おばさんだから」「周りから浮かないように」「年相応の着こなしをしなくちゃ」など、勝手に制限を設けてしまうことで、結果的に「服が似合わない」「何を着ればいいかわからない」となっている人が多くいると感じます。

それと、体形の変化に合わせて服を選べていない人も多いです。40・50代は、若いときと比べて体形が変化するのは当たり前のこと。それなのに、20・30代のころに着ていたブランドで服を探そうとするから、似合う服に出合えないのです。20・30代向けの服の素材やパターンと、40代以降に似合う服の素材やパターンは違います。動きにくそうという理由から流行のラインを敬遠してしまっている人も多いと思いますが、今は服も進化しているもの。流行のラインの服は伸びる素材でできていて、しかもラインもキレイ。40代以降でも無理なく着られるものはたくさん売っています。ぜひ、買ったことのあるブランド以外にも目を向けて、新しいお店を開拓してください。きっと、今の自分の体形に合った似合う服が見つかるはずですよ。

自分の「似合う」を知れば人生が変わる!



例えば、「これでいいや」と選んだ服を着ることは、思考を停止させているのと同じ。おしゃれは「思考」なのです。その思考を変えないと、あなたの「似合う」には出合えません。だけど、それはそんなに難しいことではないから大丈夫。ほんの少し自分を観察する時間を作るだけでいいのです。あなたは毎日、着る服を自分自身で選んでいますよね? そのときこそが自分を毎日観察するチャンスなのです。

20・30代のころに比べたら、肌はくすんで体形も変わってなんだかイケてない自分を直視するのは正直しんどいですよね(笑)。だけど、怖がらずに自分のことを観察しましょう。自分の外見的な特徴を知れば、すてきに見える形や色を選ぶことができます。すると、どんどん着ることが楽しくなってくるし、世の中にあふれるたくさんの洋服の中から、自分に「似合う」服を選べるようになります。

自分の「似合う」を知れば、不思議と自分のことも好きになれます。「何を着たらいいの?」とため息を吐きながら悩んでいるよりも、「今日はこれを着たい」と自分の軸で考えてスパッと選べることは、私に言わせれば究極の時短です。迷わなくなった時間でやりたいことができるし、毎日前向きな気持ちでスタートが切れる。これは、とてもすてきなことですよね。

自分の好きな服だけ着て生きることは、あなたの人生を変える! と私は思っています。ファッションは自由です。年齢によって着てはいけない服なんてありません。人生の後半戦を輝かせるためにも、一緒に自分の「似合う」を見つけていきましょう!

(広告の後にも続きます)

「似合う」服を知ってこんなに人生が変わった!



パーソナルスタイリストとして大人気のあやみん先生。先生のアドバイスのおかげで「自信を取り戻せた」「似合う服で営業成績が4倍に!」「霧が晴れたような気分」「私、意外とキレイかもと思えた」などなど、着るものが変わったことで、日常も驚くほど変化したという40・50代女性が続出しています。

似合う服を見つけるために必要なこと

似合う服を見つけるためには、自分を知ることが大切です。そのために実践したい3つのステップをご紹介します。「難しいことはありません。とにかくやってみるのみ!」とあやみん先生。やった人だけが変われるんだったら、やるしかないですよね!

【ステップ1】全身写真を撮る

毎朝、自分で選んだ服を着て全身写真を撮ってみましょう。ひとりで全身写真を撮るのが難しいときは鏡越しに撮る方法でも構いませんが、必ず顔が見える状態で撮ってください。自分を直視するのは怖いですけど、「自分が自分のスタイリストになる!」という気持ちで、自分を客観視することが大事。自分がイメージしていた着こなしとどこが違うのかを写真で確認できると、「なんかダサい」「この色の組み合わせは地味」「オバ見えしている」などに気が付けるようになります。

それを5日分撮って並べてみると、自分がどのアイテムをよく着ているか、何色の服をたくさん持っているのかなども見えてきます。鏡はウソつきですからね。自分に似合う服を見つけるためには、写真を撮ることがとても大事なステップになります。

【ステップ2】手持ちの服を把握する



次に、自分が持っている服の数を把握します。クローゼットの中のものを全部数えるのが大変なら、これから着るシーズンの物だけでも数を数えてみてください。色柄ものは区別せず、Tシャツ何枚、ブラウス何枚、という数え方でOKです。

自分の手持ち服と5枚の全身写真を見比べてみると、なんとなく自分の「好き」な傾向が見えてきます。まずは、よく着るアイテムの理由を考えてみましょう。「オーバーサイズで着やすい」とか「今っぽくてバランスが取りやすい」など、よく着る理由は大抵自分の好きが反映されていることが多いですよ。

次に、あまり着ないアイテムとその理由も書き出してみましょう。買っても着ない理由が明確になるから、次の買い物で失敗しなくなりますよ。無駄買いを防げて、節約にもなって一石二鳥! 

1)破れている、シミがついている、ヨレヨレ
2)今の体形に合っていない服
3)プレゼントされたけど着ていない服
4)今のライフスタイルに合わない服
5)嫌な思い出のある服

これらを基準に、あまり着ない服は処分しましょう。「あまり着ない服」の判断に迷ったら、年間単位で考えてみて。1年間で着た回数が3回以下なら、処分していいと思います。「いつか着るかもしれない」「痩せたら着られる」という理由は、後ろ向きの思考ですよね? 今のあなたは未来に向かって幸せに変化しているのだから、気持ちが後ろ向きになるような理由で、あまり着ない服を残しておく必要はないのでは? 服を処分するときは、ウエス(拭き掃除などに使う布)などに活用するといいでしょう。

高価だったものを捨てづらいときは、リユースショップなどに売るのも手。ハイブランドのものなどは高値で売れたりもするので、そのお金で今の自分に似合う服を買うのもいいですよね。

【ステップ3】服は3パターンの組み合わせが可能なものを買う

ステップ1で自分を客観視して似合うものがわかってきて、ステップ2で手持ちの服を把握して着ない服を処分できたら、3つ目のステップとして、1つのアイテムで最低3つの組み合わせを考えてみます。特に新しく服を買うときは、必ず自分の手持ちの服や小物で3パターンの組み合わせができるものを買うといいでしょう。

例えば、シャツワンピならそのまま1枚で着られるけれど、それに合わせる靴や小物があるか考えてみます。重ねて着られるスウェットがあれば2パターン目の組み合わせができ、前を開けて羽織としてきた場合、中に合わせる上下があれば3パターン目が完成します。こんなふうに、1つのアイテムで3つのパターンで着回せれば、「せっかく買ったのに合わせるものがなくて結局着ていない」というやりがちな買い物の落とし穴を防げます。特にセールでの買い物でやりがちなのでご注意を。

3パターンの組み合わせですが、あまり難しく考えなくてOK。客観的に見ておかしくないか、地味じゃないか、オバ見えしていないかなどに気を付けてパターンを考えてみましょう。

似合うファッションの見つけ方をレクチャーした書籍はこちら



『45歳からの「似合う」が見つかるおしゃれ塾』
主婦の友社/1,650円