職人たちの情熱が紡ぐ物語。「シャネル」のメティエダール コレクション

昨年12月7日、「シャネル」がイギリス北部マンチェスターの街頭で披露したメティエダール コレクションのショーは、パリ郊外のアトリエで職人たちが受け継ぐ、最高峰のサヴォアフェール(匠の技)を体現していた。

Maison Lemarié(ルマリエ)

Christelle Kocher
アーティスティック ディレクター

私のように普通の家庭で育った人でも、情熱と決意、専門知識さえあればメティエダールという最高峰の職人として成功できます。フランスの卓越性を追求する職人の一員であること、アーティスティック ディレクターとして若い世代に技術を伝承することを誇りに思います。技術革新により、手作業がより現代的になり、羽根の扱い方も多様化し、羽根に印刷したり、レーザーで切ったり、カールさせたり、染色したりすることもできます。今回のコレクションの、カメリアとクリスタルで飾られた白黒のツイードコートには、1,000時間の作業が必要でした。


「ルマリエ」のアトリエでは、安全ピン、コスチューム パール、そして金属製のチューブでシャネルのダブルCを表現


「ルマリエ」の黒いシルクチュールのドレスを纏ったモデル(中央)。1,000本の安全ピンで描く22個のダブルCのロゴに目を奪われる

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Maison Lemarié(ルマリエ)

Margot Ambrosio
クチュールアトリエ セコンド

18歳でイタリアからパリへ来て、パターン職人になるためにベルソーのアトリエとパリのアカデミー・アンテルナショナル・ド・クープ・ド・パリに通いました。最初は映画の衣装を作ることから始め、その後、この「ルマリエ」に入りました。ここでは正確なパターンを作製することから始まり、それを再現するためにミリ単位まで調整します。今回のマンチェスターのコレクションでは、ツイードのカメリアモチーフのほか、アコーディオンプリーツの三つ編みに安全ピンや金属管、真珠を刺繍したドレスも手がけました。


ふっくらと立体的に仕上げたツイードのカメリアのモチーフが、コートに一つ一つ刺繍される


中央のモデルが纏っているのは「ルマリエ」が手がけたレンガ色のカメリアとクリスタルが刺繍されたツイードのコート