多くの人が食で分かち合える喜び
野口シェフ「ハラルだからこれしか食べられない。グルテンフリーだとゼリーしかない。そうじゃなくて、誰が来てもみんなと一緒に同じものを食べられる環境を考えました。“つながり”というコンセプトを大事にしたいと思い、グルテンフリーやヴィーガンのお菓子に見えないような、そしてみんなの会話が弾むようなことを意識して作りました。
その一つがこのマカロン『ジャヌロン』です。あえてマカロン4つ分ぐらいの大きなマカロンにしたのは“この1個シェアをして食べよう”というコンセプトです。みんなでワイワイ楽しめるように考えました。」
Q.野口シェフがお菓子作りで大切にしていること、モットーを教えてください。
野口シェフ「旬の食材と、そしてその先にいる生産者さんと向き合うことです。フルーツに限らず、前職は農家に行くことが多かったです。知り合った農家さんのものを使いたいし、そこでお手伝いをするときにたくさんの発見があります。
生産者さんは、私たちの知らない食材の多くのことを知っています。苺をピクルスにしたら美味しいよとか、そんな食べ方や保存方法があるんだと毎回驚くことが多いです。自分が見て学んだことは、スタッフはもちろん、キッチンチームにも情報を共有しています。
サステナブルな活動にも取り組み、本来なら破棄する食材を何かに使えないかキッチンチームと模索しています。」
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「女性だから」ではなく、自分の道をただひたすらに歩む
Q.女性ペストリーシェフとして、これから業界を切り開いていく存在になられると感じていますが、この役職につくと決まったときの心境、また今の心情とこれからの決意についてお聞かせください。
野口シェフ「答えはシンプルで、“女性だから”ではなくフラットな視点で、そして私は自分の信念を持って自分の道を突っ走っていけたらと思っています。そして、ここで働く皆さんの意見をしっかり聞きながらみんなを巻き込んでいきたいです。みんなでいいものを作っていけるような、そんなペストリーチームにしていきたいですね。」
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Photo&Writing/坂井勇太朗(ufu.編集長)