西海岸で巡るシネマな旅「iconicな風景 in アメリカ【シアトル編】

そろそろ海外にも行きたい。そう考えている方も多いことだろう。では、どこに行こうかと思案したとき、ふとお気に入り映画のワンシーンを思い出したりしないだろうか。思わぬステイホームを強いられ、「いつか行きたい」と思っていたあの場所へ行けることは、決して当たり前なことではないと知った今、私が思い描いたのは大好きなあの作品の、美しいロケーションを訪れる旅。シアトルで巡り合えた、憧れのシネマティックな風景をご紹介したい。

映画を愛し、映画に愛される街「シアトル」

シアトルで、31年にわたり人々に愛され続けている映画がある。メグ・ライアンとトム・ハンクス主演の映画『めぐり逢えたら』だ。原題は「Sleepless in Seattle」。妻を亡くし、その痛みから離れたいサム(トム・ハンクス)は、幼い息子と共に、シカゴから縁もゆかりもないシアトルに引っ越してきた。だが、どうしても眠れずにいた。それを案じた息子が、ラジオ番組に電話をかけパーソナリティに相談。すると、ことの顛末(てんまつ)を知った全米各地のリスナーから、ラブコールが殺到するのだ。ボルチモアに住む、ジャーナリストのアニー(メグ・ライアン)もそのひとり。どうしても彼が気になり、あの手この手で近づこうとするのだが……。

この作品を愛し続けるシアトルはまさに、「Still sleepless」。これは、シアトルで案内をしてくれた女性が使っていた言葉。今もシアトルに暮らす人々がこの作品を大切に思っていることがわかる表現だ。

シアトルの宿となったのは、The Inn at the Market。落ち着いたブティックホテルで、滞在した海側の部屋からは港町のアイコニックな風景、つまり海、「PUBLIC MARKET CENTER」のライト、観覧車、山並み、目の前の林、そして行き交うフェリーなどが見渡せ、とても心地が良い。海側の部屋でなくとも、ゲストが利用できる、ファイア・プレイスのあるオープンエア・ラウンジがあり、景色を眺めながらマーケットで買った朝食をそこで食べたり、夕方はワインを飲んだりできる。
https://www.innatthemarket.com/

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五感で街の魅力を知る

目の前にあるPUBLIC MARKET CENTER、正式にはPike Place Marketは、観光の中心とも言える場所。ハート・オブ・シアトルを楽しむのに格好なホテルというわけだ。パイクプレイスといえば、スターバックスコーヒーのオリジナル店舗(最古のストア)も並ぶ通りがあり、シアトルの魅力をぎゅっと凝縮させた場所。隣接するThe Inn at the Marketは、短い滞在でも存分に、しかもスタイリッシュにこの街を体感するための拠点としておすすめだ。ホテルの目の前では、『めぐり逢えたら』も撮影されていて、ロブ・ライナー演じる同僚と共にマーケットに食事に向かうサムが、お尻を蹴られる名場面が撮影されている。
https://www.pikeplacemarket.org/

劇中、その後二人が向かったのが、次のシーンで映し出されるPike Place Market。ホテルから徒歩3分ほど、マーケット内にあるThe Athenian Seafood Restaurant and Bar(撮影時はAthenian Inn)は、映画『めぐり逢えたら』の世界そのままの様子が今も残っている。店自体がアメリカ映画のセットのようなたたずまいだ。ボリュームのあるバーガーや、新鮮な獲れたて食材で作るフィッシュ・アンド・チップスが人気。この店の前では、サムが子供、そしてガールフレンドと買い物に来るシーンも撮影されている。マーケットには、新鮮な魚介の店はもちろん、チーズ、アイスクリーム、焼き菓子、温かなフィンガーフード、ハンドクラフトなどを売る店が並び、食べ歩きやお土産物探しにも事欠かない。新鮮素材を使ったローカルフードを味わいたいなら、ぜひここへ。五感を通して街のムードを知るには、やはりマーケットが一番だ。
https://www.athenianseattle.com/