そろそろ海外にも行きたい。そう考えている方も多いことだろう。では、どこに行こうかと思案したとき、ふとお気に入り映画のワンシーンを思い出したりしないだろうか。思わぬステイホームを強いられ、「いつか行きたい」と思っていたあの場所へ行けることは、決して当たり前なことではないと知った今、私が思い描いたのは大好きなあの作品の、美しいロケーションを訪れる旅。シアトルで巡り合えた、憧れのシネマティックな風景をご紹介したい。
シアトルの風景を完成させるシンボル・タワー
シアトルのもうひとつのシンボルといえば、Space Needleだ。シアトルを象徴するタワーは、そのアイコニックなデザインはもちろん、アウトドアデッキとインドアスペースから街、そしてその後方にそびえるマウント・レーニア、カスケード山脈、オリンピック山脈まで、 360度見渡せるパノラミックな眺望も魅力。1962年、シアトル万国博覧会の初日にオープンして以来、街のランドマークとしてお馴染みだ。
必見は地上約158mにある円盤状の展望台と、その階下にあるThe Loupeというガラス張りの床があるフロア。ゆっくりと回転しているので、程よいスリルを味わいながらの展望が楽しい。おすすめは、同フロアにある、プロポーズの場としても人気だという「The Loupe Lounge」。21歳以上の大人だけが楽しめるナイトスポットで、特製クラフト・カクテルやタワーに乗った料理がいただける予約必至のバーだ(現在はクローズ。夏にオープン予定)。
街を代表する風景に欠かせない建造物として、映画に登場することも多いSpace Needle。エルビス・プレスリーの『ヤング・ヤング・パレード』(1963)、ウォーレン・ビーティ主演の『パララックス・ビュー』 (1974)、ケイト・ブランシェット主演『バーナデット ママは行方不明』(2019)などが撮影されている。景色としては、『オースティン・パワーズ:デラックス』(1999)などのほか、人気ドラマ『そりゃないぜ!? フレイジャー』『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』などにも登場している。
ちなみに、『グレイズ・アナトミー恋の解剖学』の舞台、グレイ+スローン病院もここから見下ろせるので、ファンの方はぜひ。
私が出会った人々は、制作から31年経った今も映画『めぐり逢えたら』を誇りに思い、街を象徴する映画として今も話題にしていた。1つの作品と街がこれほどまでに長い期間、密接に結びついているという事実、そして、自分たちの街への愛を表現できる作品があることの素晴らしさが強く感じられるシアトル滞在だった。
https://www.spaceneedle.com/
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【映画好きならぜひここにも立ち寄って】
Chihuly Garden and Glass
ガラスアーティスト、デール・チフーリ氏の作品を集めた美術館。年代を追うごとに変化する作風や、探求心などを知る展示が一挙に鑑賞でき、作家の魅力を体感できる。映画『アラサー女子の恋愛事情』の結婚式シーンで使われた場所は、チフーリ氏の巨大な作品を展示するために本人が綿密に計画したという展示室。春夏にはライトアップもされ、その様子もロマンティック。実際に結婚式やパーティにレンタルしているという。
https://www.seattle.gov/parks/allparks/marshall-park
Gas Works Park
公園の多いシアトルでも最も人気のあるパークのひとつ。レイクユニオン湖畔にある元ガスプラントを公園にした場所で、『めぐり逢えたら』の主人公が住むボートハウスが浮かぶエリアも眺めることができる。ヒース・レジャーとジュリア・スタイルズ主演の『ヒース・レジャーの恋のからさわぎ』の撮影も行われた場所で、ユニオン湖越しにダウンタウンを一望でき、夕刻の景色や夜景も特に美しいことで知られている。夏の夜を過ごすのにも持ってこいの場所。
https://www.seattle.gov/parks/allparks/gas-works-park
Kerry Park
丘の上の高級住宅街にある小さな公園。Space Needleを臨む、“ザ・シアトル”な風景が見下ろせる場所として、地元の人々や観光客に人気。サンセットも美しい。歩いて3分ほどのところにあるMarshall Parkという小さな公園もおすすめ。高台から海が見渡せるので、双眼鏡を覗き、湾を訪れるシャチやクジラを観察する人も。自然と近い街だということ体感できる公園でもある。
https://www.seattle.gov/parks/allparks/kerry-park
※『バーナデット ママは行方不明』ではKerry Parkから見るSpace Needleが撮影された。
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