徐々に暑さが増してくる時期に見かけるのが、「冷やし中華はじめました」ののれんや張り紙だ。ところで、冷やし中華を始めるタイミングはどうやって決めているのだろうか。

各地の個人経営による「町中華」の店や中華料理チェーン店を取材してみると、分かったことは――。

5~6月でばらつき

5月下旬の東京都内では、「冷やし中華はじめました」の張り紙をよく見かけるようになった。実際に冷やし中華を提供している千代田区の店を取材すると、例年スタートのタイミングはゴールデンウイークが終わったら、と大体のめどをつけているようだ。

一方今年は、「ゴールデンウイークが明けてから肌寒い日が続いたので、5月18日からメニューを出しています」。

「日本一暑いまち」埼玉県熊谷市。気象庁の発表では、2018年7月23日に最高気温41.1度に達した。ここで2軒取材したところ、どちらも例年6月から冷やし中華をはじめ、8月末や9月末まで販売しているとの話だった。

冷涼な気候の北海道。その中央部にある帯広市の中華料理店も取材した。ここでは、通年でごまだれの冷やし中華を提供。夏場は3種類に増やしている。時期は6月中旬から9月中旬過ぎまでの3か月間で、東京や埼玉に比べるとスタートは遅い。

(広告の後にも続きます)

「冷やし中華前線」を意識

チェーン店はどうだろう。

全国でバーミヤンを運営するすかいらーくに聞いた。2024年、冷やし中華をメニューに加えたのは4月18日。以後、一部店舗を除き全国で販売しているという。

「最高気温が24度を超える、いわゆる冷やし中華前線を意識して販売しています」

と答えた。「冷やし中華前線」とは、1日の最高気温が25℃以上の「夏日」になる前から、冷やし中華が売れ始めることに着目し、主要都市での冷やし中華商品の購買動向と、気象の観点から気温、相対湿度、風速データなどの相関性を分析したものだ。

なお終売時期は、販売数を見ながら9月上旬を予定しているという。