燃え尽き症候群(バーンアウト)の4つのタイプと、その克服法

仕事にのめり込むあまり、感情的・身体的に消耗し、無気力な状態になる燃え尽き症候群(バーンアウト)。オランダ・ライデン大学の健康・医療・神経心理学科の助教授Alexandra Ghita博士によれば、そのメカニズムと克服する方法を理解することで、ウェルビーイングを高めることができるという。マリ・クレール インターナショナルのフランス版デジタル記事よりお届け。

バーンアウトとも呼ばれる燃え尽き症候群は、個人によって症状が異なる。また、いくつかのタイプに分かれることもあり、それぞれ少しずつ特徴が異なる。その見分け方を紹介しよう。

バーンアウトは、プロフェッショナル・エグゾーション(職業的疲弊)とも呼ばれ、仕事に直接関連した健康問題として説明される。人によって異なるが、バーンアウトの症状は仕事上の責任から徐々に距離を置いたり、精神的に切り離したりするなどの兆候がみられ、心理社会的機能の悪化を招く。

心理学者によれば、バーンアウトにはさまざまなタイプ、あるいはいくつかのサブタイプがあるという。

バーンアウトの4つのサブタイプ

米誌『Psychology Today』の英版ウェブサイトに掲載された記事で、Alexandra Ghita博士はバーンアウトの4つのサブタイプを挙げている。

まず「熱中型」は、オーバーワークと一般的に高いレベルの献身性を特徴とする。これは通常、心理学における「代償の法則」(「何かを失えば、その分何かを得る。何かを得れば、その分失う」)と関連しており、仕事で過度に成功すれば、人生の他の分野のパフォーマンスが下がることを示している。

「チャレンジ不足型」は、刺激に欠ける環境で、仕事のほとんどが繰り返し作業であることを特徴とする。(時間が経つにつれて、仕事が面白くなくなり、単調になる)

「ミスアライメント型」は、会社の価値観と従業員の理念との間にギャップがあることを特徴とする。このタイプの燃え尽き症候群は、人によっては「鼓舞されない」と考えるような仕事に多く見られる。

「消耗型」は、ネグレクト(無視)によるバーンアウトとも呼ばれる。潜在的に要求が高く、ストレスの多い職場において、十分に構造化されていない(指示、指導が与えられないなど)仕事と結びついており、後天的な無力感(無視される状態が長く続くと、要求についていけない、期待に応えられないと感じるようになる)が特徴だ。


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さまざまなタイプのバーンアウトから自分を守るには、どうすればよいのか?

Alexandra Ghita博士は記事の中で、自分自身の声に耳を傾け、自分が直面しているバーンアウトのサブタイプを特定するよう、アドバイスしている。

可能であれば、あなたの不満を直属の上司に相談してみることだ。もしあなたが恐れることなく、管理職に仕事上の状況について相談出来るタイプの人であればだが。

そして、自分の性格的な特徴を見極めよう。2023年に米誌『BMC Psychology』で発表された研究によると、性格によってバーンアウトのリスクが高くなる人がいることが明らかになった。

また、自分が仕事に何を求めているのかを明確にしてみよう。そうすることが内省につながり、埋もれているメカニズムのブロックを解除するセラピーとなる可能性もある。

さらに、仕事の量よりも質を重視するようにしよう。研究の大半は、労働時間を減らすことで気分が良くなると示唆している。最後に、もし可能であれば、遠慮せずに休暇を取って、充電しよう。

translation & adaptation: Akiko Eguchi

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