本当に渋滞は緩和するの?
疑問を感じる男性
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「料金を少し上げ下げしただけで本当に渋滞が緩和するの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。そこで海外の先行事例を見ていきましょう。
イギリス・ロンドンでは、渋滞の緩和のために2003年2月に平日の7時~18時30分の間に課金エリア内を通行する車両に対して1日5ポンドの通行料を課すというロードプライシングを導入。その結果、課金エリアに進入する車両は18%、課金エリア内を通行する車両は15%減少し、交通渋滞は30%緩和されました。
スウェーデンのストックホルムでもロードプライシングが導入されています。ストックホルムでは、2007年8月からは恒久的措置としてロードプライシングが導入されていますが、公共交通機関の利用者が増加し、中心部の交通渋滞は緩和。制度の導入前と比べると課金ポイントを通過する車両数は約2割減少しています。このように、海外の先行事例を見る限りにおいては、渋滞の緩和にロードプライシングは一定の効果があると言ってもいいでしょう。
渋滞の緩和に効果があるとはいえ、政府はなぜこのタイミングでロードプライシングの導入を急ぐのでしょうか。その理由の一つとして考えられるのが、外国人観光客の急増です。京都市や鎌倉市などの観光地では、外国人観光客の急増などにより、中心部でひどい渋滞がしばしば起きています。
あまりの渋滞のひどさに路線バスの定時運行が難しくなる日も少なくありません。これでは住民生活はままなりませんし、外国人観光客の日本に対する印象も下がってしまうでしょう。ロードプライシングの導入によって、交通渋滞が緩和し、住民と観光客のどちらもメリットを享受できるような未来を期待したいと思います。