銀座【ESqUISSE】にて開催されたチャリティ イベント「NOTO NO KOÉ」から知る、能登の現在と未来

2024年5月17日、「ESqUISSE コラボレーションチャリティ イベント NOTO NO KOÉ」が開催されました。【ESqUISSE】を舞台に、シェフであるリオネル・ベカ氏と

貴重なトークセッションと象徴的なお料理の一部をご紹介します。能登半島地震から4カ月が経過した今だから語れる想いを知っていただければ幸いです。

今回のイベント「NOTO NO KOÉ」をつくり上げたメンバー

書:リオネル・ベカ氏

ベカ氏と能登の繋がりは、2019年の1月に能登の輪島市で赤城明登氏の漆器を使った料理のイベントで生まれたご縁が始まりです。以来、ベカ氏は、折にふれ能登を訪れ、インスピレーションを受けてきました。ベカ氏にとって掛け替えのない地が、2024年1月1日、大きな地震に見舞われました。3月上旬に能登を訪れ、様々なお話をうかがうなかで、能登の皆さんの声を直接届かなくてはいけないと思い、自然な流れでイベントを開催する運びに。

【ESqUISSE】エグゼクティブ シェフのリオネル・ベカ氏

トークイベントの最初に、ベカ氏から次のような挨拶がありました。「料理人である私にとって、能登ほど豊かで理想的な土地はありません。すべてが揃っており、たくさんの刺激をいただいています。自然も土地もそこに住む人も、そして能登の文化も。すべてが美しく、良いことのためにあるような場所です。能登のような場所は私にとっては日本の未来であると思っています。今回のイベントでは、私の声ではなく、能登の声をお届けしたいと思っています」。

左から、赤木明登氏、北崎裕氏、リオネル・ベカ氏、平田明珠氏、池端隼也氏、クリス智子氏

トークセッションは、塗師・赤木明登氏による「輪島塗が導く能登の未来 『小さな木地屋さん再生プロジェクト』」と【ラトリエ・ドゥ・ノト】の池端隼也氏と【ヴィラ・デラ・パーチェ】の平田明珠氏による「『炊き出し』体験で知った料理人のミッション、あたらしい能登の食文化」という2部構成で行われました。ファシリテーターを務めたのは、東京のFMラジオ局 J-WAVEでパーソナリティを務めるなどで幅広く活躍するクリス智子氏です。今回のイベントの趣旨に賛同し、ボランティアでこの役を受けました。

トークイベントの内容をお伝えするにあたり、今回のイベントに携わった能登の職人・料理人の方々をご紹介します。

赤木明登氏。塗師。1962年岡山県生まれ。中央大学文学部哲学科卒業後、編集者を経て1988に石川県輪島市に移住。輪島塗の下地職人・岡本進氏のもとで修業後、1994年に独立。現代の暮らしに基づく生活漆器「ぬりもの」の世界を切り拓く。「NOTO NO KOÉ」ではトーク セッションを担当、フランス料理と輪島塗のコラボレーションとして作品の器を使用



池端隼也氏。1979年、石川県輪島市生まれ。辻調理師専門学校を卒業後、大阪【カランドリエ】を経て2006年に渡仏、パリのロブションなど星つきレストランで4年半、腕を磨く。フランス料理に携わる中で、故郷である能登の素晴らしさを世界に発信したいと考えるようになる。帰国後、2014年に地元輪島で【ラトリエ・ドゥ・ノト】を開業。「NOTO NO KOÉ」ではオープニング トーク セッション、全コース コラボレーションを担当



平田明珠氏。1986年、東京都生まれ。大学卒業後に料理の道へ進む。都内のイタリア料理店勤務の後、食材を探しに訪れた能登半島に惹かれ2016年に七尾市に移住、レストラン【ヴィラ・デラ・パーチェ】をオープン。2020年、七尾市中島町の塩津海水浴場跡地へ移転、宿泊施設を併設したオーベルジュとしてリニューアルオープン。「NOTO NO KOÉ」ではオープニング トーク セッション、全コース コラボレーションを担当



©︎Mitsue Nagase

北崎 裕氏。1972年、石川県生まれ。国際基督教大学卒業後、京都下鴨【京懐石 吉泉】で修業。その後金沢に移り、割烹店やホテルの料理長を経て、2023年、日本料理オーベルジュ【茶寮 杣径】開業。「NOTO NO KOÉ」では全コースコラボレーションを担当



リオネル・ベカ氏。1976年フランス、コルシカ島生まれ。ミッシェル・トロワグロのブラッスリー【ル・サントラル】などで研鑽を積み、2002年より3ツ星レストラン【メゾン・トロワグロ】でスーシェフを務める。2006年、東京に開業する【キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ】シェフに任命され来日。2012年、銀座に誕生した【ESqUISSE】のエグゼクティブ シェフに就任


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