貸株のメリットは?
貸株を行う最大のメリットは金利を受け取れることです。概ね0.1~0.2%程度の金利を受け取ることができます。株式でリスクを取りリターンを狙いながら銀行預金のように確実にコツコツと金利をもらえるのは魅力的ですね。
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貸株のデメリットは?
貸株は良いことばかりではありません。デメリットもあります。
信用リスクを負う
まずは「信用リスク」です。実際に手元に株券がなく、目に見えないため分かりにくいのですが、自分自身が保有しているものを証券会社に貸し出し、それをまた別の投資家がその株券を借りているのです。証券会社や信用取引をしている別の投資家、それぞれの信用リスクを負うことになります。何かのトラブル等が生じた場合、株を貸している側にも影響が及ぶ可能性があります。例えば、売りたいと思ったタイミングに売却できないということも考えられます。
投資者保護基金の補償対象外
通常、投資家の株式は取引先である証券会社の財産とは分別で管理されるのが原則ですが、貸株サービスは証券会社に貸し出すため、分別管理されず、その結果、投資者保護基金の補償の対象からも外れます。万が一証券会社が破綻した場合も悪影響が出る可能性があります。
配当控除を受けられない
税金上もデメリットになる場合があります。通常の配当は配当所得扱いですが、貸株中は「配当金相当額」ということで金額に変わりはありませんが、厳密には「配当を受け取ったこと」にはならず「配当金に相当する額を証券会社からもらった」ということになり課税区分が雑所得となります。配当所得であれば確定申告をすることで配当控除という税額控除を受けることができますが、雑所得の場合は配当控除を受けることができません。
株主優待が受けられない
配当同様、株主優待も受け取ることができません。そこで、証券会社によっては配当や株主優待時期は貸株を解除するといったサービスを展開しているところが多いです。よって通常は貸株として金利を稼ぎ、配当や優待の権利が確定する時期は元に戻す。ということが可能です。
証券会社によって対応はまちまちですが、あらかじめ「配当・優待優先」なのか「金利優先」なのか選ぶことができるのが一般的です。株主優待目当てで投資をしたにも関わらず、その株を貸株として差し出していて株主優待がもらえないということにならないように注意しましょう。