おうち時間の増加により、自宅で料理をする機会が増えた方が多いと聞きます。またこれまで以上に時短や簡単な料理の人気が高まる中で、手作りでスイーツを作ったり、凝った料理にトライしたりする方もいるようです。ほんの少しでも、食事...
おうち時間の増加により、自宅で料理をする機会が増えた方が多いと聞きます。またこれまで以上に時短や簡単な料理の人気が高まる中で、手作りでスイーツを作ったり、凝った料理にトライしたりする方もいるようです。ほんの少しでも、食事を「作る時間」、そして「食べる時間」を充実させたい、そんな思いは誰にでもありますよね。
そしてゆったりした食事に欠かせないのがお酒です。特に週末は好きなお酒と手作りの料理で寛ぎながら食事の時間を楽しみたいものです。
私はこれまでワインやビールを好んで飲んでいましたが、今年、東北の「地ウイスキー」に出会いすっかり魅了されました。
それがこちら笹の川酒造「ブレンデッドウイスキー山桜 黒ラベル」です。
笹の川酒造は、福島県郡山市笹川にある明和2年(1765年)創業の老舗酒蔵で、その名を冠した「笹の川」の銘柄で知られています。
こちらでは日本酒の他に、なんと東北最古の地ウイスキー蒸溜所「安積蒸溜所」を併設しているんです!伝統的な土蔵建築の蔵を蒸溜所として使っているそうで、白い漆喰壁の蔵に、銅製の大きなポットスチル(蒸留器)や熟成樽などの設備が備わっているなんてワクワクしますよね。
私はウイスキーを熱く語れるほど知識もありませんし、〇〇じゃなきゃダメだ、みたいなこだわりも正直持ち合わせていません。
しかしこちらの「ブレンデッドウイスキー山桜 黒ラベル」をいただいた時に、ほのかな甘い香りとまろやかな味、それなのにすっきりした印象に惹かれ、飲むほどに「あっ、これ好きだなぁ」と深く感じ入りました。
ブレンデッドウイスキーですので、厳選されたモルト(大麦)とグレーン(穀物)が絶妙にブレンドされているわけですが、このモルト原酒は、日本の高度成長期に訪れたウイスキーブーム以降、その人気の衰退とともに静かに蔵の奥で眠っていたところを、2014年より“YAMAZAKURA”としてリリースしたものだそうです。
樽のなかでゆっくりと熟成を重ねてきた琥珀色の液体を見ると、その年月の長さに愛しさを感じますよね。
甘さの中にほんのりとピート臭も感じられ、ロックのみならず、ハイボールにしてもしっかりとした味わいが楽しめます。穏やかで主張し過ぎず、まさにブレンドの妙と言った繊細さがジャパニーズウイスキーならでは!と誇らしく思います。
そして、ウイスキー作りには気候や環境などが大きく影響し個性を決めていくそうなので、きっとこれは郡山に吹きすさぶ磐梯颪が育んだ味なのでしょう。
樽のなかで熟成を重ねる原酒が少しずつ量を減らすのを「天使の分け前」と呼ぶそうです。地ウイスキーを味わいながらゆったりとした時の流れに思いを馳せ、心穏やかなひとときを過ごしたいですね。