新宿三丁目駅のほど近く、2匹の看板猫がいる喫茶店「カフェアルル」。猫の様子を紹介するTikTokが話題となり、人が絶えることなく訪れています。
今回はそんな名店で出会える2匹の猫や魅力的な料理、動物とともに歩んできたお店の歴史を取材。別の世界に迷い込んだような不思議な雰囲気に包まれながら、マスターに話を伺いました。
SNSで話題に。若者が次々と訪れる老舗喫茶
交差点を抜けて小道を歩くと、ふと現れるベンチと旗。窓ガラスの向こうには、さまざまな年代のお客さんで賑わう店内が見えています。
お店に所狭しと飾られているのは、マスターの根本さんが集めたアンティークの数々。「僕が学生の頃は、アンティークが流行する前で値段も安かったんです。アルバイトで貯めたお金で、絵や骨董品をたくさん買っていました」と根本さん。帽子には、猫のブローチがさりげなくついています。
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2代目猫の「石松」「次郎長」
現在カフェアルルにいるのは、「石松」と「次郎長」の2匹。どちらも、先代の猫が旅立った後に、根本さんが保護猫ボランティアから引き取ってきた猫です。
次郎長
「一緒に迎え入れたんだけど、歳が違うから、2匹の上下関係が崩れないようにこの名前にしました。今の若い人には、伝わらないかもしれないけど(笑)」
名前の由来は、幕末に活躍した渡世人・清水次郎長と、その子分にいたとされる森の石松。石松は次郎長より4歳年下のため、この名前にしたのだそうです。
石松
「まったりとして、似合っているんじゃないですかね。猫がカフェにいるっていうのは、なんだか自然な姿な気がします。昔は顔をしかめる人も多かったけど、今は猫がいることで喜んでくれる人も多くてありがたいです」
ドアが開く瞬間を逃さず外に出たり、根本さんの足をつついたり、自由な気ままに過ごす次郎長と石松。多くの人であふれる店内を、2匹は軽やかな足取りで動き回っています。