寄せ植えは広い庭がなくても、さまざまな草花のハーモニーが1鉢の中で楽しめるガーデニングの楽しみの一つです。寄せ植えは花を選ぶことから始まりますが、園芸店に行くとたくさんの種類があり、何をどう選んで組み合わせればよいか、迷ってしまうことはありませんか? そんな方に、寄せ植え名人M&Bフローラの難波良憲さんが、寄せ植えが絶対きれいに見える法則を伝授します。

花を1種に絞って主役を明確にする

何を選んでどう組み合わせればよいか、迷ったときは花を1種に絞ってみましょう。園芸店に行くとたくさんのかわいらしい花が並んでいて、あれもこれもとたくさん組み合わせてみたくなるものですが、主役級にかわいい花を集めてみても、寄せ植えがかわいくなるかといったら、むしろ逆。花の個性がぶつかり合って印象が散漫になってしまうことがあります。

主役になる花の特徴

さて、主役になる花とは、どんな花でしょうか。主役になる花は概ね以下の条件が当てはまります。

大輪鮮やか・個性的な色彩株を花が覆うような多花性

このような特徴をもった花は、1種類で存在感が抜群です。同様の個性を持つ花を集めるよりも、1種に絞ったほうがまとまりがよく、見応えのある寄せ植えを作りやすいです。

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ペチュニア‘アマゾナス・プラム・コカトゥー’が主役の寄せ植え

上記の条件にぴったり当てはまるこの季節の花が、例えばペチュニア‘アマゾナス・プラム コカトゥー’。ライムグリーンに紫色の筋模様が入り、花弁の縁が波打つ個性的な花が目を引く新品種のペチュニアです。ペチュニアの中では大輪に分類され、多花性で葉っぱが見えないくらいぎっしり花が咲きます。暑さにはもちろん、雨にも強いので、この時期の寄せ植えの主役としておすすめです。

ペチュニア‘アマゾナス・プラム コカトゥー’を主役とした場合、必ずきれいに見える組み合わせは、花ではなくリーフ類を選ぶことです。もちろん、他の花を組み合わせても面白いのですが、「花1種+リーフいっぱい」の組み合わせは主役がはっきり際立ち、たいてい美しくまとまるので、迷ったらこの法則にのっとると失敗しません。リーフは主役の花を引き立たせてくれる名脇役として常に活躍してくれます。

花色を分解してリーフ類を選び出す

上の寄せ植えは一見すると複雑で上級者という感じがするかもしれませんが、じつはリーフの選び方はそう難しくはありません。主役となる花の色をよく観察し、その中にある色と同じ色のリーフを選びます。‘アマゾナス・プラム・コカトゥー’の場合、花色は①ライムグリーン ②紫 ③花心のほぼ黒に近い紫がキーカラーになります。この3色のリーフを選ぶと、花を引き立てる脇役として活躍し、寄せ植え全体のまとまりがよくなります。

今回使ったリーフは以下です。

① ライムグリーン/ルーとオレガノ‘ミルフィーユリーフ’
② 紫/キンギョソウ‘クレバータッチ’
③ ほぼ黒に近い紫/ミカニア・デンタータ

そして、もう一つ寄せ植えに動きを加えるリーフとして、つる性の斑入りジャスミンを加えています。

植栽位置のポイント

このバスケットの器の場合、全方向から見られることを前提とし、植物の配置は中央を高く、器の縁に向かって低くラウンド型になるようにするとまとまりがよくなります。この寄せ植えでは中央に草丈の高いキンギョソウ‘クレバータッチ’と斑入りジャスミンを配置。花は器の両サイドに植栽し、その株元にミカニア・デンタータを入れました。ミカニア・デンタータはほぼ黒色の葉なので、影として花をより美しく際立たせる役目を担います。