ドーバー ストリート マーケット パリ開業。新たな発見と出会いに誘う回路へ

「ドーバー ストリート マーケット パリ」がついにオープンした。世界8店舗目にして、モードの都パリへの待望の出店。パリ・オリンピックで盛り上がる中、多くの観光客が訪れる注目のスポットとなりそうだ。

17世紀に建てられた歴史的建造物がパリの「ドーバー ストリート マーケット」に

出店場所は、以前ドーバー ストリート リトル マーケットやカルチャースポット「3537.org」が入居していたマレ地区フラン・ブルジョア通りに立つ歴史的建造物オテル ド クーランジュ。1627年から1634年にかけて建造され、17世紀フランス文学の象徴であるセヴィニエ侯爵夫人が住んだとされている。

敷地面積1100平方メートルを誇る店舗は、1階と2階そして2つの地下室(BF-1とBF-2)で構成され、カフェ「ローズ ベーカリー」 も入居する。全体の内装デザインは川久保玲によるもの。同店が掲げる「ビューティフルカオス」という概念は、ドーバー ストリート マーケットが生まれてから世界各国店舗へと引き継がれるコンセプトで、ここではその世界観が更新されている。

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発見の旅に誘うカオスな魅力

店内には、コム デ ギャルソン社のブランドをはじめ、「メゾン マルジェラ」「プラダ」「ボッテガ ヴェネタ」といったラグジュアリーブランドや、「セシリー バンセン」「ウェールズ ボナー」といった気鋭ブランドも。日本ブランドは「サカイ」「アンダーカバー」「ダブレット」などがセレクトされ、少なく見積もっても70ブランド以上のセレクションが楽しめる。

これだけのブランドをそろえながらも、店舗自体が敷地内にコの字形に広がる館であることから、一歩中に入らなければショップであること自体もわからず、もちろんショーウィンドウとしての機能はない。また、他のドーバー ストリート マーケットとは一線を画し、ブランド専用のスペースが見当たらないのも大きな特徴だ。「来店者が自ら探し出す努力をすればするほど、 満足感は大きくなる」という川久保の考えを反映するだけではなく、偶然の発見をも誘うような回路が最大の魅力となる。