家庭や人間関係において、自分以外のことばかりを優先し、自分のことが後回しになる、という経験をしてきた人も多いのではないでしょうか。しかし、60歳を超えた残りの人生は、これまでできなかった分、自分ごとを優先する人生を送ってほしい。そんな思いが詰まった、エッセイストの草野かおる氏の著書『60歳からは「自分ファースト」で生きる。』より、日々の生活に取り入れやすい健康法から片付けられない洋服の対処法まで、前向きに過ごすための方法を紹介します。

ラジオ体操を始める

ラジオ体操は、第一と第二を合わせても、6分21秒。

テレビ体操は、たったの5分。

ラジオ体操は、およそ400種類の筋肉に影響を与える運動が詰まっているそうです。体のすみずみに刺激を与えることで、人間が本来持っている体の機能を回復させてくれます。病気やケガの予防にもつながります。

放送時間に合わせると規則正しい生活の第一歩にもなります。

免疫力をアップさせる生活習慣

私の場合ですが、締め切りに追われ、睡眠時間を削りインスタント食品ばかりの日が続くと途端、風邪をひいたりするんです。まさに、免疫力を落としている結果ですね。

私たちの体は、自身が持っている免疫によって病原菌、汚染物質といった有害なものから守られています。その大切な免疫力を高めるには、「良い睡眠」「規則正しい生活」「適度な運動」「バランスのいい食事」と言われています。まさに、健康でいるための、基本です。

これらを意識した生活は、自律神経が整えられ、免疫力アップにつながります。



出所:『60歳からは「自分ファースト」で生きる。』(ぴあ)より抜粋

ダイエットは卒業する

私は20代の時の体重に比べると、約40年間、10キロオーバーの状態です。時々ダイエットしても、体重に大きな変化なし。現在も、BMIでいう標準体重よりやや太めです。

最近の研究では、大人になってずっと標準体重を維持した人より、標準体重から、体重が増えた人の方が長生きすることが明らかになったそうです。

それって、なんか納得しませんか。

私の周りにも、ぽっちゃりした中年女性ほど肌艶がよく、元気で活動的です。極端に太っている場合を除いて、私たちの年代はダイエットは必要ないのかも。ただ、基礎代謝が低下すると、筋肉も落ちてしまうので筋肉は増やしましょう。



出所:『60歳からは「自分ファースト」で生きる。』(ぴあ)より抜粋

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洋服の「捨て活」は、引き出しひとつから始める

有名な片付けの方法は家の中の洋服を全て出してときめいたものだけ残すという方法ですが……これは、なかなかハードルが高い。取り出した洋服を、仕分け、再び片付けとなると「イイワケくん」が出まくる案件です。

「場所限定」「時間限定」で始めましょう。

制限時間20分でできるのは引き出し、一つか二つと、考えましょう。取捨選択をしてる時は、集中して。迷ったら、引き出しに戻してもかまいません。潔く捨てられるモノ限定にしてもかまいません。



出所:『60歳からは「自分ファースト」で生きる。』(ぴあ)より抜粋

その下着、他人に見られても大丈夫?

今、不測の事態が起きて、救急車で運ばれて、お医者さんや、看護師さんの前で、ボロボロの下着を見られたとしたら……ちょっと格好悪いですよね。

人様に見せるアイテムじゃない分、おざなりになっているのが下着です。でも、肌ざわり、サイズ感、着心地など「自分ファースト」からいえば重要アイテムです。

下着にも寿命があります。ショーツは特に長い間穿き続けると、バクテリアなどの菌が棲みつくといわれます。まだ使えると思っていても、「機能性下着」としての機能を失っているかもしれません。年齢を重ねて体重や体型も変化したのを無視してサイズが合っていないものがあるかもしれません。



出所:『60歳からは「自分ファースト」で生きる。』(ぴあ)より抜粋

溜まる一方の「部屋着」を見直す

ちょっとヨレヨレになったり、流行遅れになった外出着は捨てずに部屋着にするという方は多いでしょう。

でも、部屋着はどんなタイミングで捨てればいいでしょうか。

外出着から部屋着にランクダウンした服はどんどん増えていきますが、部屋着はそれほど多くは必要ありません。肌触りが悪くなった状態、汗を吸わなくなった状態、臭いが取れにくくなった状態、首元や袖がヨレヨレになった状態、ゴムが緩んできた状態、見た目が悪いだけでなく、着心地が悪くなるとリラックスタイムも台無しです。



出所:『60歳からは「自分ファースト」で生きる。』(ぴあ)より抜粋

「処分対象」の洋服、あれこれ

ストレスを感じる服

・脱ぎ着が大変

・ファンデーションがついてしまう

・劣化して肌触りが悪い

・色褪せている

・流行おくれ

・サイズが合わない

・洗濯や手入れが大変

問答無用に処分しましょう。

思い出があり過ぎて処分できない

・初給料で買ったブランド品

・大好きな彼からもらった洋服

・肉親から譲り受けた服

着用した自分の写真を撮ってから、処分しましょう。

新品だから処分できない

・買ってみたけど、似合わなかった

・もらったけど、趣味ではなかった

・買ったけど、着ていく場所がない

フリマアプリで売りましょう。売れ残ったら、「誰も欲しがらない」と納得してから処分しましょう。

どうしても、とっておきたい服は、それはそれで、とっておきましょう。

草野 かおる
イラストレーター