フィギュアスケートのようにメイクが演技構成の一部とみなされる場合もあるものの、スポーツの世界ではいまだに「メイクはタブー」という空気感があるという。2024年パリオリンピックを前に、女子スポーツにおけるメイクの役割を考察する。マリ・クレール インターナショナルのフランス版デジタル記事よりお届け。
女子スポーツにおけるメイクの役割:禁止命令と先入観と自己主張の狭間で
多くの女子スポーツ選手は、特に競技中、メイクをしている。自信、個性の証し、そして女性であること……、自己肯定と社会的なタブーとの間で、アスリートたちは何よりも自分自身であり続けようとしているのだ。
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目尻に青、白、赤の翼を描き、マスカラで強いまなざしを強調したフランスの陸上競技選手Auriana Lazraq-Khlass(オーリアナ・ラズラク=クラース)は、2023年8月、世界陸上ブタペスト大会で注目を浴びた1人だ。
「大会の日にメイクをするのが好き。それは(私にとって)大きなパーティーだから。そこにたどり着くために、ハードワークを重ねた成果を発揮する瞬間です」と語る、七種競技選手のAurianaは、2019年の謹慎期間中に初めてメイクパレットを注文したという。
アイライン、トレーニングウェアに合わせたカラーアイシャドウ、グリッターなど、(メイクパレットを購入して)以来、彼女は毎日メイクをする習慣をつけ、大会の日は特に気を配るようになった。それは彼女なりの「心の状態、軽やかさ、バーを跳びこえたいという願望」を表現する方法なのだ。
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表面的ではないおしゃれのしるし
スポーツとメイクアップは一見相反しているように見えるかもしれない。運動とそれに伴う汗で、わずかなマスカラやファンデーションさえも流れ落ちてしまう可能性もある。しかし、多くの女性アスリートは、フィールドに出る前にメイクをする。それは決して表面的ではない、おしゃれのしるしだ。
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陸上競技は、メイクをした女子選手のモデルに事欠かない。円盤投げのフランス人選手Mélina Robert Michon(メリーナ・ロベール・ミション)のネイルに描かれたフランス国旗や、クラウチングスタートの姿勢をとる100m世界チャンピオンのアメリカ人選手Sha’Carri Richardson(シャカリ・リチャードソン)の色とりどりのウィッグ、つけまつげ、長いネイルにカメラが集中することもある。
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「髪の色や爪の長さなんて関係ない。才能がものを言うのよ!」。24歳のスプリンター、シャカリは、ときにパフォーマンス以上に話題にのぼる、彼女の美のルーティンについて語っている。