フィギュアスケートのようにメイクが演技構成の一部とみなされる場合もあるものの、スポーツの世界ではいまだに「メイクはタブー」という空気感があるという。2024年パリオリンピックを前に、女子スポーツにおけるメイクの役割を考察する。マリ・クレール インターナショナルのフランス版デジタル記事よりお届け。
彼女たちは人々に示したいと思うイメージを作る達人だ
「陸上競技は注目されるスポーツなので、トラック上でも自分たちのスタイルを知ってもらい、宣伝する必要があります」とAurianaは言う。「メイクアップやヘアスタイルは、私たちの個性を示すものであり、私たちがどう感じているかを表現し、どう違うかを示す方法です。私たちを見てくれている人々に伝えたいイメージなのです」
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2024年パリオリンピックの出場権獲得を目指すAurianaは、自分の感情に合わせてアイメイクする。フランスチーム競技のために国旗のトリコロールカラー(三色旗)の羽を着けていないときは、闘志を示すために「バイキング」モードになり、よりリラックスした日は「ファンタジー」モードになる。ドレッシングルームでもスタンドでも、彼女は 「メイクアップガール 」として知られている。
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そして、彼女だけではない。あらゆる分野の女子スポーツ選手がメイクをし、それを完全に受け入れている。「ネイルをするのも好きだし、メイクをして試合に臨むのも好き。ピッチの上でも自分自身を美しいと感じたいの」とPSG(パリ・サンジェルマンFC女子)のキャプテン、Grace Geyoro(グレース・ゲヨロ)は最近、フランスの国際放送ラジオ『Inter』で語った。
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もっと自信を
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フランスのハンドボールチームの選手たちは2023年11〜12月に行われた世界選手権の表彰式で、口紅をつけて表彰台に立った。
大会を重ねるうちに、それは伝統にさえなった。「(世界選手権の)決勝の後、ジャージを着替えなければならなかったので、更衣室に行き、そこでみんな口紅を塗ったんです」と、2021年に東京オリンピックで金メダルを獲得したChloé Valentini(クロエ・バランティニ)は振り返る。「私たちがチームでありながら、別個の存在であることを示すための、ちょっとした女性らしさです」
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フランス・メス拠点のクラブ、メス・ハンドボールのキャプテンで、レ・ブルー(フランス代表)のウィンガー、Chloé は、毎日メイクをするわけではなく、試合の日だけメイクをする。「それがルーティンの一部で、いつも同じマスカラ、ファンデーションを少しとパウダーを使うの」と彼女は説明した。「私はその瞬間が大好き。それこそが試合に集中できるようになる瞬間よ」
Aurianaも同意する。「ドレスアップすると自信が持てるし、気分も良くなるわ」。一方Chloéは、このメイクの習慣が始まったきっかけを覚えていないそうだが、「これなしでは生きていけない」と話す。「無意識のうちに自信が持てるの」と彼女は言う。「何が何でも女性らしくありたいとは思わないけれど、私は美しいイメージを演出したいし、小さな女の子たちに、スポーツをしながらメイクもできることを教えてあげたい」