フィギュアスケートのようにメイクが演技構成の一部とみなされる場合もあるものの、スポーツの世界ではいまだに「メイクはタブー」という空気感があるという。2024年パリオリンピックを前に、女子スポーツにおけるメイクの役割を考察する。マリ・クレール インターナショナルのフランス版デジタル記事よりお届け。
常に疑問視される女子スポーツ選手の“女性らしさ”
女子スポーツ選手の女性らしさは常に問題になってきた。
長い間、主催者側は女子スポーツをより「望ましい」ものにするため、アスリートのウェアや美にこだわってきたが、最近では筋肉質すぎてもいけないし、高性能化しすぎてもいけないという、女性の体にまつわるステレオタイプを女子スポーツ選手自身が受け止めている。
フランスの社会学者Catherine Louveau(カトリーヌ・ルヴォー)の研究によれば、「男の子のスポーツ 」に参加している女性は、メイクをしたり、ジュエリーを身につけたり、ネイルを塗ったりする傾向が強いという。いまだにジェンダーの固定観念によって期待される、社会とスポンサーの要求に応えるためだ。
体操、フィギュアスケート、アーティスティックスイミングなど、社会学的にまだ「女性的」であると認識されているいくつかのスポーツでは、メイクが奨励され、得点や評価に影響を与えるものもあれば、柔道のように競技中のメイクを禁止しているものもある。
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「メイクは女性のワードローブの一部なので、競技場でメイクをしてはいけない理由がわかりません。命令されることなく、コート内でもコート外でも女性らしくあることはできます」とAurianaは語る。
オリンピックの2012年ロンドン大会と2016年リオ大会では、選手たちが可能な限り最高の状態でパフォーマンスを発揮できるよう、選手村にビューティーサロンが設置された。
translation & adaptation: Akiko Eguchi
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