まずはマイクロピペットの練習から

今までなおちゃんが体験してきたインクを混ぜて自分だけの色を作るイベントや商品は、簡易的なスポイトを使って何滴入れたかを記録して作るものばかりでした。でも、Pen FAB.は違いました。まずはマイクロピペットを使う練習を行います。

マイクロピペットと20数年ぶりに再会

マイクロピペットは化学実験で使う、かなり精度高く液体の量を測り取れる道具です。今回用意されていたのは200マイクロリットル(0.2mL)〜1000マイクロリットル(=1.0mL)まで測ることが可能なもの。なおちゃんは大学の化学実験で使用したことがありますが、三菱鉛筆の研究室でも実際にも使われている道具とのことです。ここでなおちゃんの理系魂(大学卒業からもう20年以上経過……)が目覚めました。

o-i STUDIO提供 マイクロピペット先端の青い筒が「ピペットチップ」です

マイクロピペットを使う時にはまず、先端に筒(ピペットチップというそうです)を取り付けます。この筒の中に液体を吸い込み、ビーカーに移して混ぜて色を作っていきます。

マイクロピペットには吸い込みたい量を指定する数字が表示されていて、ダイヤルを回すことで変えられます。数字を合わせたらピペットのお尻のパーツをプッシュして、そのままインクの中に先端をしっかり入れます。そして静かに指を離していくと指定した量の液体が筒に吸い込まれていきます。

ちなみに筒は基本的に一度で使い捨てです。「もったいない」と感じるかもしれませんが、1回液体を吸った筒は壁面に微量のインクが残ってしまいます。同じインクだとしても2回、3回とそのまま使用すると正確さが担保できなくなってしまうのです。なので、同じ色でも何度も吸う必要がある時には新しい筒にするのです。こんなに本格的な研究体験ができるとは!!テンションが上がりました!

ちなみにマイクロピペットは便利な道具なのですが、使い方を間違えるとインクが飛び散ったり、ピペット内部にインクが入ってしまったり(そうなると掃除するのがとても大変)なので、初めは水を使ってしっかりと練習します。

(広告の後にも続きます)

色作りスタート

マイクロピペットの使い方に自信が持てたら、色作りをスタート。自分が使いたいインクをマイクロピペットで吸って、混ぜるために用意された30mLのビーカーに移していきます。2色目を入れた以降は先端に綿がついた棒でかき混ぜ、試し書きをするという繰り返しです。「こんな色にしたい」とイメージがあっても、なかなか思ったようにはいきません。


ビーカーがかわいいのです

「かわいらしい色を」と思って入れた色が、全く違う方向に発色する場合もあり、1からやり直すこともありました。

色を作る過程はこんな感じでした

毎回、どの色をどのくらい入れたかをメモしながら色を作っていき、決まったら先生にビーカーごと渡します。EMOTTは中綿式の水性顔料インクで、一本を作るために最低限必要になるインクの量が決まっているので多すぎず、少なすぎず作っていきました。

最後は先生がシリンジを使って中綿にインクを詰めるのですが、その際も0.01gの単位まで測れるはかりを用いて、誤差はほぼ許されないという条件で厳密に測りとり、中綿に刺して注入をしていました。