長期金利とは?上がるとどうなる? 


金利の上昇
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金利についておおよそつかめたところで、今回話題となっている長期金利についてみていきましょう。長期金利とは、金融機関が1年以上のお金を貸し出す際に適用する金利のことです。満期は2年、5年、10年、20年、30年、40年とありますが、新聞やテレビで報じられる長期金利は、10年物国債の金利を指します。

さて、それでは長期金利が上がると私たちの生活にどう影響するのでしょうか。
私たちの生活の中で金利の影響が一番大きいのは住宅ローンではないでしょうか。住宅ローンの種類は全期間固定金利型、変動金利型、固定金利型の3種類に分けられます。このうち、長期金利の影響を受けるのが固定金利型です。長期金利が上がると、固定金利型の住宅ローンの金利も上がります。実際に2022年12月に日銀が長期金利の上限を引き上げたことを受け、大手銀行は10年固定型の住宅ローン金利を引き上げました。住宅ローンの金利が上がれば、トータルの返済額は増えます。

また、長期金利の上昇は企業活動にも大きな影響を与えます。企業は金融機関などから資金を調達して企業活動を行いますが、金利が上昇すれば、資金調達のコストが増加。設備投資など積極的な事業拡大が難しくなります。また、金利上昇分のコストを価格転嫁できなければ、利益も減少してしまいます。企業活動は抑制され、利益が減少した結果、日本全体で今より深刻な不況に陥ってしまう可能性もあるでしょう。

ここまで、長期金利が上がることの負の側面だけを紹介しましたが、何事もそうであるように長期金利の上昇にもメリットはあります。代表的なメリットは、金融機関の定期預金の金利が引き上げられる可能性がある点。また、生命保険の利回りである「予定利率」が引き上げられる可能性もあります。その場合、契約者が受け取るお金が増えたり、保険料が引き下げられたりといったことが考えられます。

長期金利が上がると住宅ローン金利が上がったり、企業活動が抑制されてしまったりと、私たちの生活に大きな影響を及ぼします。金利は外国の金融政策など外的要因を含め、様々な要因で決まるため、長期金利を下げたいと思っても簡単にコントロールできるものではありません。大切なのは、私たち一人ひとりが金利の上昇に備えておくこと。住宅ローンにおいては繰り上げ返済を行ったり、返済計画を見直したりといったことがより重要になってきます。ビジネスにおいては、たとえ金利が上がったとしても持続可能な新たなビジネスモデルを構築しておくことが求められるようになるでしょう。